「人は古代からみんな天文学者だった」——星と影で暮らしを紡いだ、古代人の驚くべき知恵
子どもの頃、授業で習った「太陽や星の動き」「地球の自転や公転」「重力」――。当時は難しく感じた宇宙や物理の話も、年齢を重ねた今、改めて触れてみると「そういうことだったのか」と新たな発見があるかもしれません。そんな大人の「学び直したい」という好奇心に寄り添ってくれる一冊が、『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(KADOKAWA)です。SNSでも話題の天文物理学者で、信州大学工学部准教授でもあるBossBさんが、遠い宇宙の神秘から身近な物理の不思議まで、豊富な図解とともにやさしく解き明かしてくれます。
※本記事は天文物理学者BossB (著)による書籍『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑 』から一部抜粋・編集しました。
【天体と物理】誰もがみんな天文学者
古代エジプト人は、夜明け直前に1等星のシリウスが見えたらナイル川が氾濫することを知っていました。土壌が豊かになるので、水が引いたら種まきです。
また古代中国人は、地面に垂直に立てた棒(グノモン)の影を見て方角を定義し、季節を知り、カレンダーを作りました。グノモンの影が1日で最も短くなる方向が真南と真北です。この真南北に対して、日の出と日没が作る影が直角になる時、その方向は真東と真西であり、その日から影が短くなるならその日は春の始まり(春分)と種まきを意味し、長くなるならその日は秋の始まり(秋分)と収穫を意味します。
古代人は夜、現在私たちが北極星と呼ぶ星のあたりを中心に全ての星々が回っていること、そしてその方向が北であることも知っていました。
古代ポリネシア人は月の満ち欠けと潮の満ち引きの関係をカレンダーにし、長距離航海や漁業に生かしていました。
人は古代からみんな、天文学者なのです。
豆知識
現在、地球の自転軸の延長点に北極星(ポラリス)がありますが、2千年前はおよそ8°ずれた所にありました。1万2千年後には織姫星ベガが北極星となります。地球は回るコマのようにぐらついています。

