ラーメン屋で「麺の硬さ」が選べる理由。薄利でも手間をかける価値と「時代の変化」

【本作を第1回から読む】 タピオカ屋はどこに行ったのか。3回目の「タピオカブーム」が前回までと異なっていた点

『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』 (菅原由一 /KADOKAWA)第2回【全9回】

街中にあふれていたタピオカ屋が、いつの間にか減っていた...みなさんは、その理由を説明できますか? 想像はできても、説明するとなると難しいかもしれません。SMG税理士事務所代表税理士・菅原由一氏著の『タピオカ屋はどこへいったのか?』は、「場末のスナックの稼ぎ方」や「携帯電話の契約が分かりづらいワケ」など、さまざまな「なぜ」をビジネスの視点から分析しています。日常にあふれるちょっとした疑問を題材に、ビジネスの思考回路を磨きましょう。

※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。


ラーメン屋で「麺の硬さ」が選べる理由。薄利でも手間をかける価値と「時代の変化」 02_pixta_84978209_M.jpg
※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

ラーメン屋はなぜ麺の硬さが選べるのか?

個人の心をつかむとファンが増える

多様性が重視される社会になりました。多様性は、簡単にいえば「みんな違って、みんな良い」ということです。

個人の好みに合わせた商品やサービスの提供は、消費者の満足度を高める効果があります。

例えば、スターバックスはミルクの種類や量などを変えることによって自分好みの飲み物にカスタマイズすることができます。

カレーチェーンのCoCo壱番屋は、ルーの辛さを甘口から20辛まで選べます。ライスの量も変更でき、好きなトッピングもできます。

ラーメン屋も好みの具材をトッピングでき、油の量や麺の硬さを指定することができます。これらはいずれも多様性への対応です。

このようなカスタマイズ対応は手間と時間がかかります。また、見返りとしての利益も決して大きくありません。

ラーメンを例にすると、売値100円、利益50円の煮卵をトッピングしてもらうために時間をかけるよりも、回転率を上げて1人でも多くお客さんを入れた方が売上は増えます。

それでもカスタマイズにこだわる理由は利用者の満足度が高まるためです。自分好みの味をつくれる(つくってくれる)ことがリピートしたい気持ちにつながり、それが中長期で通うファンづくりになるのです。

 

菅原由一
1975年三重県生まれ。SMG税理士事務所・代表税理士。人よりも3倍の勉強量で税理士試験に打ち込み、20代で税理士資格を取得。現在は、東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の財務コンサルタントとして活躍。銀行が絶賛する独自資料の作成で赤字会社も含め融資実行率は95%以上。顧問先の黒字企業割合は 85%を実現し、全国平均30%を圧倒的に凌ぐ。これまでに全国各地で 1,000 本以上の講演やセミナー講師を務め、1万名超の経営者が受講し、大手企業からの講演依頼が絶えない。YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』は開設わずか1年で登録者数38万人を突破し、TV、専門誌、新聞、各メディアで取り上げられ注目を集めている。「努力と結果は比例する!」を座右の銘として、YouTube、ブログ、SNSで経営のノウハウを毎日配信している。

※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP