【本作を第1回から読む】 タピオカ屋はどこに行ったのか。3回目の「タピオカブーム」が前回までと異なっていた点
『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』 (菅原由一 /KADOKAWA)第2回【全9回】
街中にあふれていたタピオカ屋が、いつの間にか減っていた...みなさんは、その理由を説明できますか? 想像はできても、説明するとなると難しいかもしれません。SMG税理士事務所代表税理士・菅原由一氏著の『タピオカ屋はどこへいったのか?』は、「場末のスナックの稼ぎ方」や「携帯電話の契約が分かりづらいワケ」など、さまざまな「なぜ」をビジネスの視点から分析しています。日常にあふれるちょっとした疑問を題材に、ビジネスの思考回路を磨きましょう。
※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
ラーメン屋はなぜ麺の硬さが選べるのか?
個人の心をつかむとファンが増える
多様性が重視される社会になりました。多様性は、簡単にいえば「みんな違って、みんな良い」ということです。
個人の好みに合わせた商品やサービスの提供は、消費者の満足度を高める効果があります。
例えば、スターバックスはミルクの種類や量などを変えることによって自分好みの飲み物にカスタマイズすることができます。
カレーチェーンのCoCo壱番屋は、ルーの辛さを甘口から20辛まで選べます。ライスの量も変更でき、好きなトッピングもできます。
ラーメン屋も好みの具材をトッピングでき、油の量や麺の硬さを指定することができます。これらはいずれも多様性への対応です。
このようなカスタマイズ対応は手間と時間がかかります。また、見返りとしての利益も決して大きくありません。
ラーメンを例にすると、売値100円、利益50円の煮卵をトッピングしてもらうために時間をかけるよりも、回転率を上げて1人でも多くお客さんを入れた方が売上は増えます。
それでもカスタマイズにこだわる理由は利用者の満足度が高まるためです。自分好みの味をつくれる(つくってくれる)ことがリピートしたい気持ちにつながり、それが中長期で通うファンづくりになるのです。