昭和世代に衝撃! 昭和の「花柄ポット」が、令和の今大人気。次は「平成レトロ」が来る!?

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『高くてもバカ売れ! なんで? インフレ時代でも売れる7の鉄則』 (川上徹也/SBクリエイティブ)第7回【全8回】

インフレによる値上げが続き、消費者の購買行動にブレーキがかかる中、それでも売れ続ける商品は確かに存在します。それらの商品は一体何が違うのでしょうか? 湘南ストーリーブランディング研究所代表の川上徹也氏による『高くてもバカ売れ! なんで? インフレ時代でも売れる7の鉄則』は、その疑問にロジカルに答えています。実際に売れた商品の事例を見て、理由を考えながら読み進めてみましょう。

※本記事は川上徹也著の書籍『高くてもバカ売れ! なんで? インフレ時代でも売れる7の鉄則』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。


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※写真はイメージです(画像提供:ピクスタ)

昭和のかおりがするレトロ家電が大ヒット

昭和時代を過ごしたことがある方にとっては逆に衝撃的かもしれませんが、今、昭和レトロ風の家電が復刻されて大ヒットしています。

昭和を知らない世代にとっては「レトロエモい」と思うようです。

象印マホービンの「象印復刻花柄シリーズ」は、まさに昭和の食卓に置かれていた花柄ポットを復刻販売したものです。

花柄ポットは、もともと1967年に発売され、食卓が華やかになるという魅力で爆発的にヒットします。ピーク時の1981年には、なんと年間約2000万本売れたこともあるそうです。

復刻版販売のきっかけは、パソコンやスマホの壁紙用コンテンツで、昔のポットの花柄を提供したことでした。それがSNSで話題を集め、「かわいい」「復刻してほしい」といった声が届くようになりました。

そこで復刻版の発売を企画。2020年11月にオープンした直販ECサイト「象印ダイレクト」に限定商品として「象印復刻花柄シリーズ」を3種発売しました。

昭和世代からは「懐かしい」という声が、若者からは「花柄がかわいい」と、デザイン性を評価する声が多かったといいます。

それが翌2021年7月に「象印さん、話が分かる。昭和のデザインで今の機能性の物がほしかったの!」というツイートがバズったことから注文が殺到。なんと1日でECサイトの月平均受注数を超える注文があったとのことです。

その後も復刻版の「花柄ポット」は安定的な人気を獲得し続け、幅広い年齢層に支持されています。

 

川上徹也
湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告代理店勤務を経て独立。数多くの企業の広告制作に携わる。東京コピーライターズクラブ(TCC)新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC 賞など受賞歴多数。現在は、広告制作にとどまらず、さまざまな企業・団体・自治体などのブランディングや研修のサポー ト、広告・広報アドバイザーなどもつとめる。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』(いずれも角川新書)、『キャッチコピー力の基本』(日本実業出版社)、『江戸式マーケ』(文藝春秋)、『売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!』(SB 新書)など多数。

※本記事は川上徹也著の書籍『高くてもバカ売れ! なんで? インフレ時代でも売れる7の鉄則』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。
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