「営業」に救われた肉乃小路ニクヨさんが、「営業向きでないと思う人」が営業に向いているという理由

「営業」から学ぶことは多い

営業に関する本もこの時にたくさん読みました。そうすると本来コミュ障だったり、営業向きでないと思ったりしている人の方が、想像力や相手の気持ちを察する能力に長けていて、向いていると書いてありました。また、自分のお財布とお客様のお財布を同じと考えないなど、コツもつかみました。自分の感覚だと高いと思っていても、お客様にとっては安い可能性もあります。人それぞれ経済状況や考え方が違うからです。だから、自信を持ってまずは提案をしてみることが大切であると学びました。

金融商品の電話販売というのは当時も今も法律上の制約もあり、録音が残ります。法令違反になってはいけないけど、きっちりと商品の魅力は伝えないといけない難しい仕事でした。ただ営業の初心者としては自分のトークを聞き直せたことや、スーパーバイザーの人に聞いてもらって、話し方のフィードバックを受けられたのも、今では大いに役立っています。

正直、歩合としてはそんなによくなく、辞めていく人も多い職場でしたが、私は粘って続けて、最終的にはグループで一番の実績を残すことができました。さらに色々な投資商品の販売資格を取ることもできたので(もちろんそのため勉強は別にしました)、心からやって良かった仕事だと思っています。

その実績を引っ下げて、もっと条件の良い営業の仕事がしたいと考え、正社員採用に応募するべく、人材紹介会社に登録をしました。そこで条件の良い保険会社の営業支援の仕事を得て転職し、以後はなんとか勢いよくキャリアを重ねることができたのです。そうすると今度は派遣社員の人を管理したり、採用したりする立場になりました。

派遣社員・アルバイトでも必ず出世できる!

「営業」に救われた肉乃小路ニクヨさんが、「営業向きでないと思う人」が営業に向いているという理由 肉乃小路ニクヨさん
撮影/西尾豊司

私が派遣社員だった時の経験と、派遣社員を管理する立場で働いた経験を合わせて思うことは、真面目に実績を出し続ければ、派遣社員も正社員になれるチャンスが絶対にあるということです。その際に必要なのは自分の会社だけでなく、よその会社にも説明できるような仕事の実績の積み方です。そしてできれば普段から周囲にその実績をアピールして、正社員になりたい気持ちを出すことです。

どんな会社でもやる気のある人を採用したいので、売り込むことは必要です。ただこの点については、人によって得意不得意もあると思うので、苦手な人は上手に人材紹介会社を使いましょう。

大事なのは自分のやっている仕事を完全に理解し、説明できて、しかも工夫していることを簡潔に話すことができる能力です。どんな仕事でもこういった仕事のやり方を続けていけば、どこでも欲しいと思ってもらえる人材になれます。それは正社員でも派遣社員でもアルバイト社員でもそうです。このようなことを考えながら仕事をやっていけば、自分をアップデートしていくだけで仕事ができます。私が最終的にフリーランスを選んで仕事をするようになったのも、こういった訓練をしてきて「どうにかなる!」と思えたからです。

<ニクヨの愛あるアドバイス>

自分の適性は意外なところにあるかもしれない。だからまずは色々な可能性を試すことが大切。どんな仕事でもしっかり業務内容を把握し、改善策を考え、それを周囲に説明できる能力は必要。

 

肉乃小路ニクヨ
経済愛好家、ニューレディー、コラムニスト。
渋谷教育学園幕張高等学校を卒業し、慶應義塾大学総合政策学部へ進学。大学在学中より女装をスタート。大学卒業後は金融業界で10年以上勤務し、お金のプロとして様々な提案を行う。証券会社、銀行、保険会社などを渡り歩き、夜は新宿2丁目の夜の社交場で、人間観察力を磨いてきた。42歳で退職し、その後はフリーランスとして、自分らしく生き、人生をバラ色にするために必要なお金との付き合い方を、多くのメディアで熱く発信する。千葉県出身。

※本記事は肉乃小路ニクヨ著の書籍『確実にお金を増やして、自由な私を生きる! 元外資系金融エリートが語る価値あるお金の増やし方』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
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