『幸せに生きるための政治』 (西田 亮介 (著), 池上 彰 (責任編集)/KADOKAWA)第5回【全9回】
物価も税金も高くなり、日々の暮らしがたいへんになっていく一方で、政治家がらみのさまざまなニュースを耳にする毎日。「このままじゃいけないんだろうけど、でも政治のことはやっぱりよくわからないし...」と過ごしている人も多いのでは? そんな人に向けて社会学者の西田亮介さんが身近な例を挙げてアドバイス。池上彰さんが責任編集をした書籍『幸せに生きるための政治』(KADOKAWA)から一部抜粋してご紹介します。
※本記事は西田 亮介 (著), 池上 彰(責任編集)の書籍『幸せに生きるための政治』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
議員たちの公費での旅行は意味があるのか。実際のところを知りたい
「エッフェル姉さん」「エリー・アントワネット」...、ネットのネーミングセンスに脱帽ですが、自民党の女性局の議員たちの話です。
この人たちのフランス研修中、パリのエッフェル塔の前でポーズをとって撮影した写真をSNSに投稿したところ、「観光旅行のようだ」と大炎上したんですね。
しかも、そのフランス研修には娘も同行していたことがわかり、「大使館に子どもの世話ま
でさせるのか」とブーイングの嵐。
国会議員の「研修旅行」という名の旅行にウン億円も出すお金があるなら、資金が危機的状況にあるとして、クラウドファンディングで1億円の資金を募ると発表した国立科学博物館を支援してほしいし、政府はお金の使い方を間違っているんじゃないか、と思った人もいることでしょう。
博物館は子どものためにあるものです。イギリスの大英博物館は、無料。大英博物館に限らず、イギリスは国立の博物館や美術館、ぜんぶ入場無料。
日本の緊縮財政もいきつくところまでいった感があり、こちらを充実させてほしいものです。帰国した議員は、「党からの資金と参加者の自腹」と釈明しましたが、政党には政党交付金が給付されていることもあり、これがまた火に油を注ぐ結果になりました。