介護の際にはさまざまな手伝いが必要になりますが、中でも"トイレのお世話"で悩む人は多いようです。最近ネット上では、介護対象の夜間頻尿に関する相談が話題になっていました。
夜間頻尿者の介護で夜も眠れない?
相談者の93歳になる母親は、夜間の頻尿が原因で夜3時間ほど寝るとすぐに起きてしまいます。現在はショートステイと自宅介護を併用しており、夜中に何度も起きるため介護者にも大きな負担に。すこしでも夜間頻尿を改善しようと泌尿器科や精神科の治療を受けているのですが、効果はないと明かしていました。
「現状を改善するにはどうしたらいいのか」という質問に対しては、ネット上から「紙おむつをしてても尿意で目は覚めるみたいだし、むしろ気持ち悪がって嫌がるから大変」「私の母も毎夜起きてトイレに行くので2時間も眠れない。本当に辛い」「介護は長期戦になるし、その中で"眠れない"ってのはまじキツかった」と共感の声が。
また体験者からは「起きていられる間は、なるべく起きていてもらう方がいい」「ある程度運動して疲れてもらうとかは?」「水分が足りないと尿から排泄物を出し切れず、体が無理に排泄物を出そうとして余計に尿が増えます。トイレが嫌で水を飲まない人も多いですが、きちんと水分を取ることが大切」「就寝前に入浴をして、体の代謝を良くするよう心がけるのもありかも」といったアドバイスが寄せられています。
要介護者の約65%が夜間排尿を体験
株式会社インターネットインフィニティーは、ケアマネジャーとして働く人を対象に「排尿トラブルのご利用者に関するアンケート」(「ケアマネジメント・オンライン」調べ)を実施。調査では、要介護者のうち4人に1人が、なんらかの排尿トラブルを抱えていると明かされていました。また排尿トラブルの中でも最も多いのは75.7%の「尿失禁」。2位は66.2%の「夜間に何度も排尿」、3位は64.0%の「頻尿」となっています。
日本泌尿器科学会の公式サイトでは、夜間頻尿のチェック方法も紹介。適切な対処をするためには、原因を明らかにすることが必要です。自宅でできるチェックとしては、"排尿日誌"をつけるのが効果的。"排尿日誌"とは、朝起きてから翌日の朝までの排尿時刻と排尿量を記録するもの。1回の排尿量(膀胱に溜めることができる膀胱容量)と排尿回数を把握できれば、おおよその原因を知ることができますよ。
多くの人が症状を抱えており、ケアする側の負担にもなる"夜間頻尿"。もしあなたの身近な人が夜間頻尿になってしまったら、あなたはどうしますか?
文/藤江由美