あなたは毎日「やりたいことだけ」に向き合って、1日の時間を満喫できていますか?
自分がやりたいことはこれじゃない...。でもどうでもいいことに時間を追われて、やりたいことができない。便利な家電が増え、デジタル化も進んだ現代なのに、なぜか「時間がない」という悩みが絶えることがない、と感じていませんか?
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※この記事は『お金と時間の悩みが消えてなくなる 最高の時短理』(米山 彩香/KADOKAWA)からの抜粋です。
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「今日何をやるか」ではなく「どう生きるか」。
人生の時間を1ミリもムダにしない秘訣
目標の設定にも、効果的なやり方があります。
それは、はじめに「大きなゴール」を設定すること。
「目標設定は具体的なものでなければならない」とよくいわれます。たしかに、日々の仕事をこなしていくためには、それは重要なことでしょう。しかし、生き方そのものを効率的にし、時間に追われるというストレスがない自由な人生を送るためには、具体的で細かい目標よりも、ざっくりとした目標=大きなゴールの設定が必要です。
大きなゴールとは、「自分がどのように生きていきたいか?」という生き方のことです。「そんなざっくりとしたものでいいの?」と思うかもしれませんが、これがあるのとないのとでは、日々の作業効率がまるで違うのです。私自身、このゴール設定を間違えていてしんどい目にあったということが、これまで何度もありました。
たとえば就職......。大学時代の私は、卒業して"大きな会社"に入るために、たくさん勉強してよい成績を取っていました。この場合の私の大きなゴールとは、「大きな会社に入る」ということ。そのために毎日こなす勉強によって、定期試験でよい成績を取ることが小さなゴールとなっていたわけです。
そして大手電機メーカーへ就職=大きなゴールにたどり着いたのです。家族は喜んでくれて、友人は尊敬してくれました。私も大きな達成感を味わうことができました。ところが、いざ会社で働き出してみると、自分で「この会社で何をやりたいのか」がわからない。この先どうすればいいのかがわからない。要するに、会社に就職したことで、もうすべて完結してしまったのです。
「これから何をやっていくべきか」、そこまでは考えていなかった......。
ただ、他人(上司)から与えられた仕事をこなしていくだけの毎日です。
そんなむなしい仕事のやり方から抜け出せたのは、「自分の興味のあること」を調べまくったからです。結果、私は「弁理士」という仕事の存在を知り、特許事務所に転職して会社に勤務しながら大学院に入り、弁理士資格取得のための勉強に励みました。こうして新たな目標を見つけて、日常をそちらにシフトさせたわけですが、そもそもは、「大手企業に就職する」ことを最終的な目標=大きなゴールにしていたことが、私の間違いだったのです。
「自分がどのように生きていきたいか」
これが大きなゴールであり、大手電機メーカーに就職することはそのステップの1つ、いわば小さなゴールであるべきだったのです。とはいえ、実は、「弁理士になる」という私の新たな目標も、最終的な大きなゴールとしてふさわしいものではありませんでした。「弁理士になる」とは、「自分がどのように生きていきたいか」とは、別ものです。「どう生きていきたいから、その手段として弁理士になるのか?」。今思えば、私はその答えを持っていませんでした。大学院のみならず、弁理士資格取得のための学校にも通い、睡眠時間を削り、勉強漬けの毎日を過ごしたにもかかわらず、弁理士資格の試験は不合格。そこで私はもう、弁理士になるという目標を捨ててしまいました。
目標設定は「生き方レベル」で
「大手電機メーカーに入って、新しい技術の開発に携わり、海外の研究所で研究に没頭する人生を送りたい」「弁理士になって、自分の事務所を持ち、これまでの電機メーカーで得た知識をもとに大企業の手助けをする女性になりたい」こんなふうに「生き方」レベルで大きなゴールを設定していたなら、1回や2回試験に落ちたからといって、弁理士になることをあきらめたりはしなかったでしょう。「達成感」や「自己効力感」を味わうことが目標達成には大事。そんなことがよくいわれています。
もちろん、これは真実。「自分はできた!」という達成感、「自分にはできる!」という自己効力感など、こうした喜びを感じることが、次の行動を促します。そして、その好循環を何度も繰り返して成長していくことは、心理学、行動学、脳科学などが証明してきた人間の原理です。
しかし、それらが有効なのは、あくまでも先に大きなゴールがあるからです。小さなゴールで「達成感」「自己効力感」を味わい、次の小さなゴールに向かい、それをクリアすることでさらに次のゴールへ向かい、最終的に大きなゴールにたどり着く、というのが、目標達成の仕組みです。大きなゴールがない状態では、小さなゴールでの「達成感」「自己効力感」は、単なる「満足感」であり、「もうこれで十分」になってしまいます。「もうこれで十分」ならば、当然そこで行動は終わり。言い方を変えれば、それは「あきらめ」ということになります。
では、今の私が「大きなゴール」としているのはどういうものかといえば......。「時間を自由に使えて、好きなときに海外旅行ができる生き方」というもの。大きなゴールは、こんなざっくりとした感じでいいのです。
時間を自由に使うためには、どんな仕事のやり方をすればいいのか?好きなときに海外旅行をするためには、どのくらいの収入があればいいのか?日常は、大きなゴールにたどり着くためのステップです。
まず必要な目標は、「今日何をやるか」ではなく、「どう生きるか」。
それが人生の時間をムダにしない秘訣です。
◆アクションプラン
毎朝「どう生きるか」をイメージして、1日をスタートさせる