縁故者を供養するしきたり「お墓参り」。毎年欠かさず訪れていても、お墓参りのマナーや常識は意外と知らないことだらけですよね。知らずにやっていると、ご先祖様に対して失礼な行動をとってしまっているかも?
お線香の火を息で消してはいけない理由とは
8月16日放送の「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ! 優越館」(テレビ朝日系)では、"お墓参り"にまつわるハナタカ知識が紹介されました。
まずはお線香にまつわるマナーから。仏教の世界ではお線香の煙は「香食」と呼ばれており、仏様の食べ物として扱われています。そのため汚れの多いものとされる"人間の息"で、線香の火を吹き消すのはご法度。お線香の火は手で仰いで消すのが正解で、聖なるものとされる"右手"で仰ぐのがベストな扱い方なのだそう。
続いて紹介された"仏花"の常識では、お供えする花の本数と種類についてピックアップ。まず花の本数は、縁起がよいとされる"奇数"で供えるのが好ましいと言われています。さらに供える花は、毒やトゲのないものを選ぶのが常識。例えば「バラ」「チューリップ」「ポピー」「カーネーション」の中であれば、「カーネーション」が最も適した花となります。
「バラ」はトゲがあるため、仏花に使う場合はトゲを取ってから供えるのがベター。一方華やかで可愛らしい印象のある「チューリップ」「ポピー」ですが、実は毒を持つ花なので仏花ではあまり使わないことをおすすめします。故人の好きな花を供える際には、その花に毒やトゲがないか確認した上で使用してくださいね。
お墓参りの写真をSNSへアップするのはアリorナシ?
知られざるお墓参りの常識は他にも。以前放送された「林修の今でしょ! 講座」(テレビ朝日系)では、"お墓参りで撮った写真はSNSでアップしてもいいか"という問題が取り上げられました。
以前からお墓参りの写真投稿について疑問を持つ人は多いようで、ネット上では「お墓にカメラを向けるのって不謹慎な感じがする」「お墓参りの模様をSNSにアップする人の神経が理解できない」「SNSにお墓参りの写真を載せるのは不謹慎っていう論争があったけど、私は載せちゃうかな」「昔はお墓参りで写真撮るのは普通のことだったし、アリだと思う」といった賛否両論の意見が多く寄せられています。
浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんによると、お墓参りの写真の投稿は基本的にOK。ただしお墓には故人の本名や命日、戒名など様々な個人情報が含まれているので、SNSへアップする場合は自分の家のお墓だけを載せるのが常識です。SNSへの投稿自体は、他の人へお墓参りを促すメッセージにもなるので問題はありません。
意外と知らない墓参りの常識。今後お墓参りに訪れる際には、ぜひ役立ててみてくださいね。
文/藤江由美