みなさん、老後としっかり向き合っていますか? 政府が掲げた「人生100年時代」において、高額な医療費や介護代、そしてお葬式やお墓など、老後はいったいいくらお金がかかるのか、見当もつかないという方も多いのではないでしょうか。
インターネットで少額、全国一律の料金プランを提示する葬儀サービス「小さなお葬式」。その運営会社のユニクエスト・オンラインがアフラックと提携し、保険相談や保険の見直しサービスを1月からスタートしました。この機会に、現在の保険の条件見直しやお墓の事情といった「終活」について考えてみましょう。
葬儀にかかる費用はどれほど?
日本消費者協会「第11回葬儀についてのアンケート調査」報告書より
50代にもなると、親世代はもちろん、同僚や同級生など、自身の世代の死も意識する機会が増えてきます。では実際、葬儀費用はどのくらいかかるのでしょうか?
日本消費者協会の調査(2017年)によると、葬儀費用の平均総額は約196万円となっています。幅広く参列者をお呼びする一般的な葬儀プランや、家族中心で費用を抑えた家族プランなどがよく選ばれているようです。この金額を一度に払うとなると、けっこうな出費になりますが、どのように準備しておけばいいのでしょうか?
保険なら節税にも! 葬儀費用の準備を考える
葬儀費用を銀行に預けていた場合、現在は金利が低いうえに、もし名義人が死亡した場合は一時的に凍結されてしまいます。せっかく用意したお金が、いざというときに使えなかったら意味がありませんね。
その点、保険であれば、名義人が死亡した場合も相続人が別に指定されているので、すぐに受け取れます。さらに、現金の場合は全額が相続税の対象になりますが、保険で遺されるお金は非課税枠があり、節税効果も期待できます。
とはいえ、保険は種類が多く、どれを選んだらいいのか迷いがちです。年齢とともに家族構成や健康リスクなどの状況が変わってくるので、加入してからずっとプランを変えていない場合は特に、無駄なところにお金をかけている可能性もあります。冒頭で紹介した「保険の見直し」サービスなども利用しながら、現状に合った保険を選んでおきましょう。
あなたのお墓は?...終活を考えてみよう
保険や葬儀費用と並び、終活の大きなテーマの1つが「お墓」です。日本の葬儀やお墓の多くは仏式ですが、浄土真宗、曹洞宗、真言宗、浄土宗、日蓮宗など、代表的なものだけでも13種類もあります。自身や親の宗派を、「じつはよく知らない」人も意外といるのではないでしょうか?
さらに、いまの時代は核家族化や埋葬に対する価値観の多様化などもあり、自身のライフスタイルに沿ったお墓を求める傾向も強まっています。たとえば、遺骨を粉々にして海や山にまく散骨、墓石の代わりに樹木を墓標とする樹木葬などなど。納骨堂なら、お墓のような「家」ではなく、個人、夫婦といったさまざまな単位で、室内に収蔵できますね。
このように、お墓の有りようも多様になってきた中、保険の見直しや葬儀プランなどを、どこかで一度、真剣に考えたほうがいいかもしれません。自身の宗派もはっきりとわからない人は親世代に聞いたり、お墓をどうするか夫婦や家族で話し合ったりして、「まだ早い」ではなく「そう遠くない未来に確実に来る」出来事として、人生のエンディングに向けた準備をしておきましょう。
文/ 千葉洋一