ばね指
ばね指は、仕事や家事のほかにも、スマートフォンやパソコンなどの使用で手指を使い過ぎると起こりやすいと言われています。
そもそも指が動くのは、筋肉が縮んで骨を引っ張り、関節を動かしているからです。
筋肉と骨をつないでいるのが「腱」とよばれる組織で、この腱の働きによって、手指のスムーズな動きが行われているのです。
しかし手指を酷使し過ぎると、この腱に炎症が起こってしまいます。
同時に腱を包んでいる「腱鞘」という組織ともこすれあって摩擦が生まれ、両方に炎症が起こりやすくなることに。
こうして痛みや腫れが生じるのが、手指の「腱鞘炎」なのです。
さらに、腱鞘炎で痛みが起こっても手指を使い続けると、腱が厚くなって指の曲げ伸ばしがスムーズにいかなくなります。
それを無理に動かすと、指が「ばね」のようにカクンと跳ね上がる現象が起こり、これが「ばね指」と呼ばれる症状です。
手指の使い過ぎのほかに、更年期や妊娠中など、女性ホルモンの変化によっても起こることを知っておきましょう。
【おもな症状&特徴】
□ 指の曲げ伸ばしがしにくい
□ 引っかかりを感じ、ばねのように指が跳ね上がる
□ 曲げていた指を伸ばそうとすると指が跳ね上がる
□ 指に痛みや腫れがある
□ 親指、中指、薬指に起きることが多い
指を伸ばそうとすると、突然跳ね上がる
母指CM関節症
母指とは親指のこと。
親指以外の指は曲げる、伸ばすといった動きしかできませんが、親指だけは「ねじる」という動きを行うことができます。
そして「ねじる」動きを支えているのが、親指の付け根にある「CM関節」。
このCM関節を使い過ぎると炎症が起こり、関節の軟骨がすり減ってきてしまいます。
この状態が続くと親指を動かしにくくなり、物をつかんだり、ひねったりする動作がうまくいかず、痛みを感じてしまうというものです。
ペットボトルの蓋を開ける際に痛みが走ったり、包丁で物を切るのがつらくなった......という場合には要注意。
さらに痛みを放置していると、親指の付け根周辺が腫れ、ふくらんでしまうこともあります。
親指の動かせる範囲がより狭くなっていき、日常生活にストレスを感じるようになってしまうのです。
この症状の原因のひとつに、スマートフォンを片手で持ち、親指だけでスクロールするなど親指ばかり酷使することが挙げられます。
無症状のまま進行することもあるので、親指に負担をかけないよう、同じ指ばかり使わないことを意識してみることも大切です。
【おもな症状&特徴】
□ 指で物をにぎったりつまんだり、親指をひねるときに親指の付け根に痛みを感じる
□ 包丁で硬いものを切るときなどに痛む
□ ペットボトルや瓶の蓋などを開けるときに痛む
□ 親指関節の骨が変形し、親指の付け根が腫れてふくらんでくる
□ さらに進行すると親指の付け根が痩せてくる
□ 片手でスマホを持ち、親指で操作する人に多く見られる症状
親指の付け根に痛みがあり、腫れてふくらむことも