仕事をイッキにやるのは、記憶の新鮮さを確保したいから?/仕事の渋滞は「心理学」で解決できる(5)

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今、あなたは「たまった仕事」に苦しめられていませんか? 「たまった仕事」=「仕事の渋滞」は、人の「心」の働きを理解すること、つまり 「心理学」的なアプローチですべて解消できるのです。
書籍『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』で、あなたの「たまった仕事」を一掃し、「仕事の渋滞」を解消して、毎日スッキリ会社に通えるようになりましょう!

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前の記事「仕事は「まとめて」やらないほうがいい/仕事の渋滞は「心理学」で解決できる(4)」はこちら。

 

本当にイッキにできれば、まだOK

仕事をためて、それでもイッキに片づけることができたなら、まだまだいい方です。

私の知人に、「あなたが50日かけて書くような分量の書籍原稿なら、土曜、日曜、ハッピーマンデーの3日で書き上げてしまう!」と豪語していたつわものがいます。

「すごい効率だ!私の約16、7倍か!」と感動すらしてしまいましたが、これは終わるからまだいいのです。終わったとたん「バッタリと倒れる」ということでしたが、それでも終わるならいいでしょう。本が3日で書き終わるのですから。

しかしそれで終わらなかったら......。

締め切りがある、しかも3日間、おそらく缶詰め状態になって、他の一切の作業をしないのだろうに、終わらなかったら?

3日で原稿が書けてしまうなら、毎日の仕事量は激減するでしょう。でも、書けるということを前提にしておいて、書き上がらなかったとしたら?

 

イッキにやるのは、記憶の新鮮さを確保したいから?

仕事をイッキにやりたいという人は、ある種の不安を感じているのでしょう。それは、イッキにやってしまわないと記憶の鮮度が落ちるという不安です。

たとえば本を書くにあたって、気持ちの鮮度というものは大事です。「その企画なら、面白そう!書きたい!」というモチベーションは非常に重要です。しかしそういう気持ちは、そんなに長くは続きません。

自分で目次を書いておいたのに、1ヵ月もたつと、「何で俺、このときこんなことを書きたいと思ったんだろう?」という感じになります。

これはどんな仕事にでも起こることです。

それが怖いから、書くとなったら、気持ちが冷めないうちにイッキに書く。書くことも、ネタも、頭の中にあってホットなうちに、イッキに書く。書き切るまで他のことを挟まない。そうしないと、何よりも「気持ち」を忘れるから。それが怖いのです。

しかし、そうまでして書き切れなかったら、どうなるでしょう?たぶん、残りの分については毎日少しずつ進める、などというわけにはいかないでしょう。

 

中途半端に片づけた書棚はますます散らかっていく

私の経験では、中途半端に片づけた書棚や書類は、ますますひどい状態になっていきます。

曲がりなりにも整理されていた棚を、いったん壊してから、もっと理想に近づけるべく整理を始めるわけですが、壊した途中でやめてしまうのですから、ろくな結果になりません。

しかも、途中でやめておいて、しばらく放置すると、イメージしていた「理想型」がどうであったのかを思い出せなくなります。これは悲惨です。

多くの人が、大掃除や、書棚整理などを「イッキにやりきってしまいたい」と思うのは、この種の記憶喪失体験があるからです。やる気も失い、理想のイメージも失い、それまで整理されていた状態まで失ってしまう。仕事でこんな事態を引き起こしたいと思う人がいるでしょうか?

イッキにやってやりきれば、やる気を覚えておいたり、理想のイメージを覚えておいたりする必要はなくなります。

しかしイッキにやってやりきれなければ、やる気を忘れる前に、理想のイメージを忘れる前に、もう一度振り出しに戻って、あらためてイッキにやりきる必要が出てきます。でなければその仕事が暗礁に乗り上げてしまいます。

こういうリスクを考えれば、モチベーションや理想のイメージにこだわり、イッキにやろうとして仕事をためないことが、やはり賢明だと考えざるを得ません。

 

次の記事「締め切り間際にならないと「本気が出せない」はホント?/仕事の渋滞は「心理学」で解決できる(6)」はこちら。

佐々木正悟(ささき・しょうご)

心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。1973年北海道旭川市生まれ。97年獨協大学卒業後、ドコモサービスで働く。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)の他に『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(KADOKAWA)、『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)など。また、共著に『iPhone情報整理術』(技術評論社)がある。

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『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』
(佐々木正悟/KADOKAWA)


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この記事は『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』からの抜粋です

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