新玉ねぎとさば缶は、血流を改善し、血液サラサラ効果が期待できる食材です。血管をしなやかによい状態を保つためにも、二つを合わせて食べましょう。とくに新玉ねぎがおいしい季節。生でも辛味がなく、手軽に調理できます。今回は、管理栄養士で料理研究家の村上祥子さんに、「新玉ねぎとさば缶の魅力」を教えてもらいました。
新玉ねぎ
優秀な健康野菜
玉ねぎはフラボノイドの一つ、黄色の色素成分であるケルセチンを含みます。
フラボノイドはポリフェノールの一種で、抗酸化作用による花粉症や動脈硬化などの予防効果が期待されます。
玉ねぎの辛味成分硫化アリルは、エネルギー代謝に関わるビタミンB1と結びついて吸収を促し、慢性疲労や筋肉疲労などを解消できるのではと考えられています。
さらに、血液サラサラ効果が期待されていますが、硫化アリルは揮発性成分なので、生で食べるのが最も有効です。
とくに新玉ねぎは辛味も少ないので生食向きです。
一般的な玉ねぎは黄玉ねぎで、辛味が少ない赤や白玉ねぎ、煮込み料理に最適な小玉ねぎ(ペコロス)などがあります。
黄玉ねぎは通気のよい場所で保存できますが、赤や白玉ねぎ、また新玉ねぎは腐りやすいので、必ず冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
さば缶
脳や骨にも働きかける
EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は人間の体内で作ることのできないn-3系の多価不飽和脂肪酸の一種で、さば缶に豊富に含まれています。
EPAは血液中のコレステロールや中性脂肪を肝臓に運び、血管内をきれいに掃除する善玉コレステロールを増やす効果が認められています。
DHAは脳を活性化する働きがあり、アルツハイマー病の予防・改善や認知症予防に効果があるとされています。
また、カルシウム、ビタミンD 、たんぱく質があってはじめて骨が作られます。
さば缶は全てを含んでいるので骨粗鬆症予防に最適。
健康維持に積極的に取り入れていただきたい食材です。
取材・文/石井美佐 撮影/スタジオCOM(中野正景)