毎日の食生活は健康管理のために大切なもの。本誌にて連載中の医師・鎌田實先生が考えた、たんぱく質と野菜がしっかり摂れるのにとっても簡単に作れるレシピをご紹介します。元気で長生きできる体づくりを、食生活からはじめませんか? 今回は、鎌田式「ズボラおかずの3カ条」です。
健康長寿のために必要なものは「筋肉」でした
健康管理の「真ん中」にあるのは、やはり毎日の食生活です。
「何よりも大切なのは、毎日『ちゃんと食べる』こと。もちろんお金も大切だけど、人生を元気に楽しめるかどうかは、最終的には本人の健康にかかっていると僕は考えています。ピンピンコロリより、『PPH(ピンピン生きてヒラリと逝く)』の方がいい」(鎌田先生)
野菜やたんぱく質をしっかりと摂り筋肉を保つことが「PP」につながり、「ヒラリ」のためには「ソロ立ち・ソロ活」を行うことが大切なのだと鎌田先生。
「今回紹介する本は、ぜひ男性にも読ませてほしい。男性は料理ができない人が多いからね。男性も自立してもらわないとね、誰しも命の最後の最後は1人きり(ソロ)だから。そうして生活の中でほどよく手を抜いて時間をつくり、自分が成長するための勉強や体力づくりを行ってみましょう」
おいしく楽しいズボラレシピで「PPH」な生き方を楽しんで。
鎌田式 ズボラ おかずの3カ条
電子レンジで便利に時短を
「毎日毎日がんばる必要はなし。どんな手抜き料理だって、おいしければ夫も文句を言わないはず。というわけで、今回は電子レンジだけで作れるレシピも紹介。火を使わなければ料理じゃない、なんて話はどこにもないのですから」(鎌田先生)
冷凍野菜や冷凍総菜を利用する
「冷凍食品は、本当に便利。手間なく使えるし、フードロスも防げる。食材が安いときにまとめて加工するので価格も安定しています。冷凍野菜や総菜を上手に活用すれば、料理が楽しくなる。しかもおいしくて、良いことずくめです」(鎌田先生)
まな板と包丁はできるだけ使わない
「朝昼晩、3食用意するのは負担が多いもの。カット野菜やカット済みの肉類を使って、負担のない料理を行いましょう。手抜き=現代の知恵。便利なものはどんどん使っていい。空いた時間は、自分の好きなことをする時間にあてて」(鎌田先生)
「PPH」のために大切なのは、この2つ
【野菜】1日350gを目安に!
さまざまな種類を摂って
血管の慢性炎症を防ぎ、血圧や血糖値の上昇を防ぐためには、抗酸化力のある野菜の摂取が大切。厚生労働省が推奨している1日350gを守って。
【たんぱく質】朝昼晩でこまめに摂る!
1日に必要なたんぱく質の量は体重kg×1.2g
料理は手抜きでいいけれど、たんぱく質の摂取に手を抜くのはNG 。体重50kgの人なら60g、つまり鶏ささみなら1日約300g分が必要です。
鮭(1切れ・100g)
たんぱく質量 22.3g
ゆで大豆(100g)
たんぱく質量 12.9g
木綿豆腐(1/2丁・150g)
たんぱく質量 9.9g
鶏ささみ(100g)
たんぱく質量 23.0g
取材・文/和栗 恵 撮影/邑口京一郎 スタイリスト/肱岡香子 栄養価計算/鶴島綾子 イラスト/山村真代