近頃は「整理収納」というと断捨離が浮かびますが、「捨てられなくて、結果、片付けられなかった」なんてことも見かけます。目的は捨てることではなく、暮らしを快適にすること。自身のノウハウを配信し、フォロワー11万を超えるインスタグラマーの著書『暮らしが整う「片付けない」片付け』(アスコム)から整理収納術をご紹介します。
【前回】整理収納は「使っているモノ」と「使っていないモノ」の仕分けから/暮らしが整う「片付けない」片付け
買い置きがあったのに、また買ってきてしまった
収納の引き出しに入れようと思ったら、あ! 同じモノがあった! 一つならまだしも二つもあった! しかも賞味期限が切れている......。
買い過ぎを防ぐためには、どのくらいストックがあるのか記憶しやすくすること、なんですが、毎日忙しいと、急いで買い物をして急いで収納して......の繰り返し。
どれくらい食品のストックがあったか、覚えておくのは大変ですよね。
そこで収納を見直すと、買い物の仕方まで変わってくるんです。
ストックを全部出してみて、適量を知る
ストックしておくほうがいざ買い物に行けなかったときに便利で安心という心理が働きますが、実はこれが暮らしのプチストレスを生んでいます。
引き出しや棚にいろいろな食材がギュウギュウに詰まっていると、全体の量が分かりにくいですよね。
パッと見たときに何がどれだけあるか把握できず、ついなかったような気がして、また買ってくるということが起こってしまいます。
一度、食品のストックを全部取り出してみましょう。
そうすると、出てくる、出てくる!きっと記憶よりも大量で驚くと思います。
賞味期限切れの食品がたくさん出てきてショックを受けると思いますが、これがリセットするいいチャンスです。
残念ですが、廃棄するしかありません。
心が痛むと思いますが、廃棄したモノのぶん、スペースに余裕ができて使いやすいキッチンになります。
また、家族の食の好みや、自分の味の傾向も見えてきます。
例えば、栄養価が高そうだからと買った豆の缶詰は家族が好きでないので結局使っていない。
一度試してみようと買ったエスニックスパイスはやっぱり使わずじまい......。
そうやって長期間ストックされたままの食品の傾向が分かると、次からは無駄買いをしなくなります。
賞味期限切れの食品を処分したら、次は、ダブっている買い置きを見てみましょう。
ダブっているモノは、使いきれるのか?そんなに必要なのか?と考えてみます。
そんなに必要なかった場合は、自分の買い物のクセを見直しましょう。
【〇正論】ストックはたくさんあるほど安心
【×ズボラ】絶対に使うモノだけ一つずつ
深くて大きい引き出しの中は、整理用ボックスで「見える化」
さて、収納です。
ファイルボックスなどを使って「乾物系」「麺類」「缶詰」などとグループごとに仕切っておくと、分かりやすくなります。
ただ、ボックスの中でモノを重ねてしまうと下のほうが見にくくなって、結局忘れてしまうので、なるべく立てられるモノは立てるようにします。
ふりかけのような、小さくて倒れやすいモノは立てても見にくいので、フックでかけられる小物入れを使うと見失いません。
これで、引き出しを上からざっと俯瞰して「何と何はある!」とひと目で分かるようになり、そのおかげで無意識に記憶できるようになります。
【〇正論】重ねて省スペース収納
【×ズボラ】立てて上から見えるように
棚に置く収納は、ラベルで「見える化」
棚に置く場合は整理用ボックスに入れている方が多いと思いますが、忙しいと「とりあえず入れておく」を繰り返してしまい、最終的にいろいろな種類の食品がまざってしまいます。
整理用ボックスもグループ別に分けて、ラベルを貼ります。
できれば中が見える透明なボックスのほうが分かりやすくておすすめです。
しかも、丸い箱より四角い箱のほうがスペースを無駄なく使えます。
ラベルは家の表札のようなものですから、これだけで「お客さまが隣の家に間違って行ってしまう」というようなことがなくなります。
そして、ボックスの中も、ひと目で分かるくらいの量しか入れません。
これで探す時間がぐっと短縮できるし、余計な買い過ぎを防止できるようになりました。
【〇正論】隠してオシャレに収納
【×ズボラ】透明ボックス&ラベルですぐ分かる
引き出しを開けた瞬間に、パッと何があるか分かればストックを覚えやすく、ダブって買ってしまう失敗も防げます。
乱雑になりがちな引き出しは、ボックスなどを使って仕切ると分かりやすくなります。
冷蔵庫のアレ、食べようと思ったら、賞味期限が切れていた!!!
よく食べるので多めに買い置きをした食材。冷蔵庫から取り出して、いざ食べようと思ったら、賞味期限が切れている! うっかり先に新しいものを食べてしまっていた......。
毎日の暮らしに欠かせない冷蔵庫ですが、難点は奥行きが深いこと。
奥に入れてしまうと手が届きにくかったり、前にあるモノで見えなかったりで、ついつい手前から先に食べてしまいます。
我が家では、食べる頻度が高い豆腐と納豆はいつも多めに買ってストックしていますが、食べようと思ったら賞味期限が過ぎていた!もったいない!ということもしばしばでした。
そこで、奥行きのあるプラスチックケースに入れて、賞味期限の近いものを手前に並べ、期限が遠いものとまざらないよう仕切りをつけるようにしました。
賞味期限が近いものを食べきって、新しいものを追加する場合は、ケースの向きを変えて、最も期限が遠いものが奥になるようセットします。
野菜室や冷凍庫も考え方は同じです。
ボックスに仕分け、賞味期限が近い順に、前から後ろへ整列させて、手前から使うようにします。このルーティンを覚えてしまえば、もう食材を無駄にしません!
【〇正論】賞味期限順に並べておく
【×ズボラ】ケースごと向きを変える
特に冷凍庫は保存できる期間が長いのをいいことに買ったことを忘れることもあるので、同じようにケースに入れて、手前に賞味期限が近いものを並べています。
これで、楽しみに食べようと思っていたのに賞味期限が過ぎていた!という悲しいことがなくなって、食品ロスも防げるようになりました。