焦点を合わせるのは、未来よりも「今」
妻 寝室に服の棚が多すぎて、布団を折らないと敷けないんです。夫の服が多くて。
夫 多いけど、好きな服だから減らそうとは思わないな。いずれなんとかしなきゃとは思っていますが。
本多 たしかにまりあさんの5倍くらい服がありそう。でも、大事にしているモノは本人が納得しないと手放すには至りません。きちんと収まっているから問題ないとは思いますが、のびのび寝たいのであれば服の場所はここではないのかも。隣に空き部屋があるんですよね。今寝室にある4つの服の棚がそちらに行けば、寝室が広く使えますよ。
妻 ここに引っ越してくるとき、そうしようとも考えました。でもいずれ子どもの部屋になるときに困るだろうなと思って、寝室に収めたんです。
本多 子どもが部屋を使うようになるまで、早くても5年くらいありますよね。それだけあると、人の価値観はガラッと変わる可能性があります。隆俊さんの興味が服からほかへ移っているかもしれないし、子ども優先と考えた結果、服の価値が下がるかもしれない。減らして寝室に戻せるかもしれないんです。未来は未来でどうにかするものですから、今は今したいことを優先させたほうがよさそう。毎日の快適な睡眠は、生活のなかでもとても大事なことだと思います。
夫妻 本当にそうだね。検討してみよう。
本多 モノは同じところに置いておくと、その状態で固定されてしまいがちです。服の場所を動かすだけで、「これはどれだけ必要かな」と見直す機会にもなりますよ。
写真:林ひろし イラスト:ヨシイアコ
【次回】コットン、なぜここに? ストレスフリーな洗面台の配置術/快適に変える収納レッスン
さまざまな間取りで暮らす5組のお宅を著者がコンサルティング。実践的な整理収納術はあなたの家でもすぐに試せます