「なんとなくやる気が出ない...」そんな日はだいたいのことがうまくいかず、さらに憂鬱になる、なんてことも少なくありません。そんな悪い気持ちの流れを解消できるのが、30代で病身の夫に代わりビジネスで大きな成功を収めた臼井由妃さんの著書『元気の作法』(方丈社)に散りばめられたヒントの数々。今回は同書から、いつでも簡単に元気が出るようになる習慣づくりのコツをお届けします。
落ち込んでいる人に聞くパワースポット
人に会いたくない、仕事から逃げたい、姿を消したい......。
そういう落ち込んだ気持ちになるのは、人としてごく自然な姿です。
そんなときは何となく落ち込んでいるのではなく、体調や仕事の成果、評判や評価など、さまざまな要因がワンセットになってネガテイブなことを考えてしまっているというのが常です。
つまり、落ち込んでいるときは、いろいろなネガテイブなものに巻き込まれてしまうのです。
もしネガテイブループにハマってしまったら、「そういう気持ちになるのは、仕方がない、誰だってなるのだから」と開き直り、「落ち込むのは、物事を真剣に考えているから」「落ち込むのは、行動をしている証」と、自分を讃えて欲しいと思います。
夜はご主人が営む居酒屋を手伝い、昼は近所のスーパーで働き、二人のお子さんのママでもあるHさん(33歳)という女性がいます。
彼女は、「一つ歯車が狂いだすと、やるべきことができなくなる」と訴えます。
彼女が風邪で二日寝込んだだけで、ご主人のお店はお客さんの注文に応じきれず、クレームの嵐。
小学生のお嬢さんが二人で家事をやってくれたのはいいけれど、後片づけが大変。
パート先からは、「忙しい特売の日に休むなんて、あり得ないと」とパワハラまがいの言葉を浴びせられ、風邪は治っても心は折れたまま。
誰も手伝ってくれない、助けてくれる人もいない。
みんな私のことなど心配していないんだ......と、どんどんネガテイブループにハマったと言います。
こういうときには、ネガテイブなものを発する場所や人、モノに接してはいけないのです。
ネットの掲示板や、批判的な書評レビューが集まるサイト、炎上しそうなブログ、「ダメ・できない・無理・どうせ」が口癖のネガテイブ思考の人や、悪口や噂話の好きな人はもちろん避けるべきですし、苦手な食べ物、行くのに大変な場所にも出かけてはいけません。
では、どうすればよいのでしょうか......。
自分でコントロールできる範囲で、ネガテイブな人、モノ、場所から離れるようにすればよいのです。
一方、こんなときに行くべき場所や会うべき人とは......?
そんなときの特効薬になるのが早朝から活気づいている市場です。
東京在住の人ならば、築地の場外市場。
豊洲市場ならマグロの競りの見学デッキ(水産卸売場棟)や青果棟見学ギャラリー。
地域で開かれる朝市でもかまいません。
普段より早起きをして市場に出かけるというだけで、ポジテイブな気持ちになります。
市場で働いている人や買い物客には、ぼんやり歩いている人なんていません。
市場は元気であふれています。
そんな活気のある人のポジテイブを求めに、市場にいきましょう。
「ご主人のお店の仕入れも兼ねて、市場にいったらどうかしら?」
私は前述のHさんに、「気分転換にもなっていいわよ」と、市場見学をすすめました。
新聞配達や早朝から仕込みをしている豆腐屋さんなど。
朝早くから働いている人たちの活気に触れてみるのはいいですよ。
彼らの中から元気がない人を探すのは難しいですからね。
【元気ポイント】神聖な場所だけが「パワースポット」ではない。早朝の市場は活気のパワースポットだ。
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