20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。今回のエピソードは、一人立ちした娘さんが長期休暇でリフォームした我が家に帰ってきたものの...
前回の記事:全て自分で決める醍醐味よ! 将来を見据えた「50代おひとり様のお家リフォーム」
「私、家を出てひとり暮らしをする!」
入社2年目の娘が宣言。
ついにきたか...。
長男も次男も高校卒業後に家を出ました。
長男は22歳ごろに出戻ってきて、次男はそのまま行ったきりです。
第3子であり女の子でもあるので、このまま結婚するまで家にいてくれたら、と思っていました。
が、自立心が強く、「このまま家にいたら、何もできない人になりそう」というのが本人の理由。
これを「お嫁にいくまでは」「もう少し先でもいいんじゃない」など引き留めることでも、ましてや親の権限で「許さない」なんてことでもありません。
もう、成人した大人です。自分の人生は自分が決められる年齢です。
そうと決まったらあれよ、あれよと決めていき、わが家のリフォーム完成を見ることもなく、サッサと自分のお城を決めて出ていきました。
それから2週間ほどして、長期休暇があり帰ってきました。
12月に入るとさすがに寒さが厳しくなってきました。
エアコンにガスファンヒーターがフル稼働。
それでも娘は「寒い~」「凍える~」とうるさいこと。
お風呂の掃除を頼んでも、寒さで掃除が辛いと。
そのうえ、入浴するのですら、お風呂場が寒くて入る気がしないというのです。
環境というのは恐ろしいもので、24年間育った家は、昨日、今日寒さが厳しくなったわけではありません。
ずーと冬は寒く、夏は暑いのが常識でした。
だから慣れっこなはず。
それが、初めてのマンション暮らしは、エアコンをつけなくても暖かい。
追い炊き機能のないお風呂でも冷めることなく入浴できるのだそう。
わずか2週間の間にわが家は、娘にとってはまるで極寒の地に建てられた家のようです。
廊下に至っては外にいるのと同じほどだと。
娘にとってはマンションの気密性の高さが普通な居心地に。
巣立った鳥は古巣に未練がないのと同じだなぁと思いました。
キレイになったわが家が可哀そうに思えました。
寒い、寒いを連発して5日間ほど家にいて帰っていきました。
お正月は帰省するものとばかり思っていたら、帰らないとのこと。
昭和世代は、正月は家族そろってお祝いするのが常識だと思っていました。
でも私自身も実家で過ごすお正月が大嫌いだったので、なんとなく気持ちは分からなくもありません。
長男も泊まりで釣りに行くかもしれないという。
もしかして人生初のぼっち正月ですか?
家族がいるのにぼっち正月とは...。
これまで家族の為に正月の準備をしていましたが、もう要らないんだね。
そう思うと一抹の寂しさを覚えます。
もっと早く分かっていれば、念願の富士山を眺めながら温泉旅館でのんびり過ごすという夢を叶えられたのに、とちょっぴり恨み節を呟いてみる。
でも、行きたければ、いい大人の子供なんて気にせず計画を立てればよかったのです。
なんだかんだ言っても子供ファーストだったんだなぁと思いました。
今回は旅行はできませんが、ホテルのラウンジにでもお茶をしに行こうかな。
さて、ぼっち正月デビューはどうなることやら。
【まとめ読み】50代のこれから、そして悩み...中道あんさんの記事リスト
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。