「どんな風に話すかで人生は変わる」と言うのは、全国で多数の講演を行う人材育成のプロ・永松茂久さん。そんな永松さんが会話のノウハウをまとめた著書『人は話し方が9割』(すばる舎)から、「好印象を与える会話のコツ」を抜粋してお届けします。
自分の言葉を一番聞いているのは自分自身
以前、同業の伝え人の仕事をしている友人から聞いた話ですが、日本人の一番好きな言葉をご存知ですか?
それは「感謝」の言葉だそうです。
「ありがとう」
「おかげさま」
「感謝しています」
これらの言葉は、あなた自身の気持ちがさほど込もっていなかったとしても、口ぐせにしておいて損はありません。
コミュニケーションの上手な人は、折に触れ、感謝の言葉を口にしています。
ビールを持ってきてくれた店員さんに「ありがとう」
タクシーの運転手さんに「ありがとう」
コンビニのお兄さんに「ありがとう」
職場の人や家族、友人にも「ありがとう」
自分の言葉を一番聞くのは自分自身。
そして自分の言葉を聞く時、心は無意識状態ですから、奥底にその言葉がストレートに入っていきます。
ですから、「いい言葉を口にする、口ぐせにする」ということは、精神衛生上、ものすごくプラスの効果があるのです。
ほめ言葉を素直に受け取れる人、謙遜してしまう人
さて、本題はここからです。
あなたはほめられたとき、どういうリアクションをしていますか?
「すごいね!」
「綺麗だね」
人から言われた時、おそらくほとんどの人が、「いやいや、そんなことはありませんよ」と、謙遜しているのではないでしょうか?
しかし、ほめた相手としては、あまりに謙遜されると、それ以上ほめることができなくなってしまいます。
特に、誠心誠意ほめてくれる人なら、なおさらのこと。
その時は、素直に、「わあ、嬉しいなあ」「そう?ありがとう」と言って相手の気持ちを受け取りましょう。
自分が感謝の言葉を口にすることも大切なのですが、相手の気持ちを感謝して受け取るということも同じくらい大事なことなのです。
ほめられるということは、言葉という形で、プレゼントをもらうようなもの。
もしプレゼントが目に見えるものだったら、あなたは相手に「ありがとう」と言って受け取りますよね。
同じように、ほめ言葉も積極的に受け取りましょう。
ほめ言葉を受け取り、感謝を伝える。
コミュニケーション上手な人が何気なく使っている、感謝の言葉とほめ言葉の受け取り方をぜひ観察してみてくださいね。
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人を動かす、会いたいと思わせる、嫌われないなど37の会話のコツを全4章で解説しています