「どんな風に話すかで人生は変わる」と言うのは、全国で多数の講演を行う人材育成のプロ・永松茂久さん。そんな永松さんが会話のノウハウをまとめた著書『人は話し方が9割』(すばる舎)から、「好印象を与える会話のコツ」を抜粋してお届けします。
能力があるのに、話し方で損している人
さて、世の中には、すごくいいことを言っているのに、なぜか人に好かれない人がいます。
一方で、月並みなことしか言わないのに、なぜか多くのご縁に恵まれて、うまくいく人もいます。
人間関係を築く上で大切なのは、人柄や、物事の見方、考え方です。
しかし、いくらいいものを内に秘めていても、話し方を間違えてしまうと魅力は伝わらず、人を遠ざけてしまうことになります。
いい話し方ができるようになれば、人生は劇的に変わる。
これは、決して大げさではありません。
ではどうすれば、いい話し方になるのか。
具体的な話に入る前に、話し方すべての基礎となる「大原則」についてお話ししましょう。
話し方における「微差」とは?
コミュニケーションを制すれば、人間関係を制したのも同じです。
もう少し砕いて言えば、「うまく人と話をすることができれば、あなたの日常はさらに豊かなものになる」ということになります。
「あの人にはなぜ人が集まるのだろう?」
あなたが羨ましく思っているあの人は、あなたの100倍の努力をしているのでしょうか?
答えはノーです。
私の好きな言葉に、「微差が大差になる」があります。
その人は、今のあなたより「ほんの少しだけ」人とコミュニケーションを取る上で、大切なことを知っているだけなのです。
では彼らは何を知っているのでしょうか?
答えを申し上げます。
まず、「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」ということです。
想像してみてください。
みんなで写った集合写真で真っ先に見るのは、何でしょうか?
そうです、自分の顔です。
集合写真が手元に届いて、他人の顔を確認する人は滅多にいません。
まず自分です。
つまり、一番興味がある「相手自身」のことを主役にすれば、自然に相手の感情は高まっていく。
「自分を主役にしてくれるあなた自身のことを好きになる」、という簡単な心理です。
2つめが、「本来、誰もが自分のことを認めてほしいし、自分のことをわかってほしいと熱望している」です。
そして、3つめが、「人は自分のことをわかってくれる人のことを好きになる」です。
【最初から読む】「否定しない空間」を作れば誰でも上手に話せる
人を動かす、会いたいと思わせる、嫌われないなど37の会話のコツを全4章で解説しています