「何かの縁ですよ、これは」深く仲良くなりたい人に使いたい「縁の相づち」

人との距離を取る新しい暮らし方に慣れてきても、悩みが尽きないのが「人間関係」。これを円滑にできる方法の一つに「相槌対話法」というテクニックがあります。そこで、実践的な技術がまとめられた書籍『誰とでも会話が続く相づちのコツ』(齋藤勇/文響社)から、すぐにできる相づちの「さしすせそ」と「あいうえお」の使い方を連載形式でご紹介します。

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日本人の好きな「縁」を使って強い絆を生む

人間関係を深める「あいうえお」の相槌の「え」は、「縁」の「え」です。

日本人は何事にも縁による結びつきを考え、それを大切にします。

年の始めに各神社、仏閣には、良縁を求めて、何万という人が集まるのを見れば明らかでしょう。

元々、縁は仏教用語ですが、日本人の伝統的な価値観となっています。

知らない人同士のつき合いが、苦手な日本人でも、そこに何かの縁の結びつきという神秘的な力を感じると、急に、固さがとれるのです。

縁を感じると、その日はじめて会った人でも旧来の友や親族のような親しさを感じてしまうのです。

偶然ではなく、縁があって、会った、運ではなく、不思議な"えにし(縁)"により結びついた、と考えると心が和むのです。

そこで、この縁の相槌を人間関係を深めるために、うまく使うことが有効となります。

たとえば、「縁がありますね」「何かの縁ですよ、これは」「不思議な御縁ですね、結ばれていますね」といった感じです。

縁は、自分の意志や能力だけでなく、周囲の力や自分でも計り知れない自然や宇宙の力が働いて生じるものだと考えられています。

自分達でも気づかないような不思議な"えにし"による結びつきが「縁」という言葉には込められているのです。

会話の中で、話している話題や話している二人の関係が、「縁によって生じた」といわれると、「そうなるべくしてなった」と思え、理由を越えて、一体感を育むことにつながります。

そして、縁で結ばれた二人だと思うと、親しさが増すのです。

結びつきは、自然と強くなります。

また、縁の相槌を介在させると、二人の関係をほっとさせ、温かい関係に導いてくれます。

さらに、「縁」の相槌は、関係性を人知の及ばぬ力によって結び付けられた強いものと捉えさせる効果があります。

ぜひ、深く結びつきたい相手には、機会をとらえて、「縁がありますね!」という相槌を使って下さい。

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コミュニケーションを円滑にする相づちのテクニックが全5章で解説されています

 

齋藤勇(さいとう・いさむ)
立正大学名誉教授、大阪経済大学客員教授、文学博士。日本ビジネス心理学会長、日本あいづち協会理事長。人間関係の心理学、特に対人感情や自己呈示の心理などを研究する。メディアでも活躍し、心理学ブームの火つけ役となった。著書、監修書に『超・相槌』(文響社)、『外見心理学』(ナツメ社)など多数。

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『誰とでも会話が続く相づちのコツ』

(齋藤勇/文響社)

会話が上手な人が持っているスキル、それは相手の話しをスムーズに引き出す力。つまり「相づち」です。家族や友人との会話に、仕事でのコミュニケーションに、どんなシーンでも使える「万能の会話テクニック」が満載です。

※この記事は『誰とでも会話が続く相づちのコツ』(齋藤勇/文響社)からの抜粋です。

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