だましのキーワードは「鞄・犯罪行為・不倫」!養いたい「オレオレ詐欺」を察知するチカラ

新型コロナウイルスに便乗するものも出てくるなど、進化し続ける「詐欺」の手口。そんな詐欺や悪徳商法に詳しいルポライター・多田文明さんの著書『だまされた!「だましのプロ」の心理戦術を見抜く本』(方丈社)から、現代の詐欺から身を守る方法を厳選してお届けします。

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だましのキーワードは「鞄」「犯罪行為」「不倫」

私たちは「息子をかたってだます」という〝オレオレ詐欺〞というパッケージ(外見)ではなく、話の中身に注意を向けて身を守る必要がある。

とはいっても次々に現れる詐欺話のストーリーをすべて覚えるのは、高齢者でなくても難しいだろう。

そこで私は、だましのプロセスを矢印で示すフローチャートで詐欺の手口を知り、身を守ることを勧めたい。

オレオレ詐欺は、まず「息子をかたる」ところからスタートするわけだが、次の詐欺話に展開するために使われるだましのキーワードには「鞄」「犯罪行為」「不倫」など、いくつか出てくる。

鞄を見てみよう。

この場合は、「落とす」「なくす」と言ってくる。

その時の場所は、電車や病院、タクシーなどだ。

そして、鞄には小切手やカードなどが入っており、それがなくてトラブルに陥る。

そして結論として「すぐに手元に現金が必要だ」となる。

「不倫をした」では、「子どもができてしまって」「相手のダンナにばれた」となる。

そして〝子どもができた〞のケースを見ていくと「中絶費用が必要」となり、〝ダンナにばれた〞では、「示談金が必要」が結論となる。

犯罪をしてしまった系では「会社のお金を使い込んだ」「電車内で痴漢をした」といった理由で弁護士が出てきて、和解金などを請求するといった具合だ。

このフローで見れば、個々のキーワードがいろんなものに変わってもトラブルが起きて、「金が必要」の構図は同じである。

最近では、詐欺師たちは「仮想通貨」を使うことが多いが、その時に展開されるのは「仮想通貨の投資で失敗した」「仮想通貨で儲かったが、税金を払わないと口座を凍結される」などとなり、最終的に金を要求される。

すべての手口のストーリーを覚えられなくても、キーワードに何が入るかを考えてフローチャートでだましの流れを考えていけば、詐欺だとすばやく気づける道が見えてくる。

ただし最近では、入り口である「息子(オレオレ)」自体を変化させることもある。

娘をかたる「わたしだけど」という詐欺や、名簿で知った「甥」や「孫」をかたって電話をかけるなどのケースも多い。

ただし、オレオレ詐欺のだましのフローは変わらないので、息子の部分を娘や甥、孫に変えればいいだけのことである。

だまされないために重要なことは、今、受けている話が「ウソかどうか」を見抜く目である。

私はこれまでさまざまな詐欺や悪質商法の現場に潜入取材して、話の流れ着く先がどこなのかを先読みすることで相手の話のウソを暴いたり、だまされそうな局面を乗り越えてきた。

どうしても、私たちは親の情につけ込んで金を搾取するという「オレオレ詐欺」の外見だけに目を奪われて、「その手口は知っているよ」と思ってしまいがちだ。

しかしそうではなく、フローの形で当てはめてみて、微妙に変化させてきているだましのストーリー(中身)を通じて「この先にいくと危険だ」と察知できる力を養うことこそが、被害に遭わないためには必要なのだ。

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多田文明(ただ・ふみあき)
1965年北海道生まれ。ルポライター。「キャッチセールス評論家」「悪徳商法評論家」「悪質商法コラムニスト」「潜入ルポライター」などとも称される。主な著書は「キャッチセールス潜入ルポ~ついていったらこうなった」(彩図社)、「電話にでたらこうなった!」(ミリオン出版)など。

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『だまされた!「だましのプロ」の心理戦術を見抜く本』

(多田文明/方丈社)

「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」など、時代は変われど減らない詐欺犯罪。最新の手口や詐欺師の心理など、著者が実際にだまされてみてわかった「だましのプロ」から身を守るノウハウが詰まっています。

※この記事は『だまされた!「だましのプロ」の心理戦術を見抜く本』(多田文明/方丈社)からの抜粋です。

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