運動や食事制限など「長続きしないこと」ってありますよね。でもそれは「続けること」に頑張って疲れてしまっているからかもしれません。そこで、家計簿をつけることで「ダイエットを習慣化」するメソッドが話題となった『家計簿つけたら、ヤセました!』(川下和彦/あさ出版)から、三日坊主にならない「節約しながらダイエット」の方法を連載形式でご紹介します。
「理論的に正しいか」よりも「続くかどうか」
私の場合、節約ゲームで高得点を取ろうとすると、支出のうち大きな割合を占める飲食費の見直しが必要だとわかったのは、前述のとおりである。中でも一番出費がふくらむのは、ご想像の通り夕食だが、仕事の関係上なかなかお付き合いを減らすことはできない。そこで、私は昼食にメスを入れることにした。
都心でランチに出れば、1食1000円前後ということも珍しくない。それに、飲食店では年齢や性別ごとに配膳される量が調整されるわけではないので、カロリー過多、糖質過多になっていることも多い。私は自分がこれまで昼に食べ過ぎていたことに気づき、お昼ご飯を制限することにした。
朝と夜はしっかり食べて、昼だけを減らす「M字メシ」を実践したのだ。グラフにすると、朝と夜の食事量が多く、昼が少ないのでM字型になることが、この名前の由来だ。最初は、ランチから白米を抜くようにした。すると、一週間と経たないうちに、みるみる体重が落ち始めた。慣れてくると、お昼自体がいらなくなり、今では1日2食の生活をしている。
私がお昼ご飯を減らすことでやせたというと、ほとんどと言っていいほど「やせるには夕飯を減らしたほうがいいのではないか?」と言われる。確かに、「寝る前に食べると太る」という説がある。ただ、もしそれが理論的に正しいとしても、そこに落とし穴があるのだ。
ダイエット的に正しいことをやろうとしても、誘惑が多くて結果的に続かなければ、まったく意味がないのである。それなら、ダイエットの理論的には100%正しくなくても、習慣として続くことを優先したほうがいい。
たとえば、夕食をコントロールしようとすると、絶え間なく誘われるお付き合いを断り続けなければならないし、朝から1日頑張ったご褒美に、ご馳走を楽しむこともできない。
こうなると、やがてお誘いを断ったり、ご褒美を我慢したりし続けることに耐えられなくなり、夕食制限計画は頓挫(とんざ)してしまう。一方、一般的にお昼からお酒の付き合いを断らなければいけないことはないので、1人で少量のお弁当にすることもそれほど難しくない。
私はお昼ご飯を軽くしたら、いいこと尽くめだった。体重が減ったのは言うまでもなく、他に2ついいことがあったのである。1つは「午後眠くならなくなった」こと。コアタイムとなる午後に眠くなることがなく、覚醒した状態で仕事に取り組むことができている。
もう1つは「夕食が楽しみになった」こと。夕食を抜くと、我慢したまま1日を終えることになり、今日も我慢、明日も我慢という日が続き、次第に続かなくなってしまう。しかし、1日の最後にご馳走が待っていると思うと、それを楽しみに頑張ることができるようになる。
楽しみが見えない日と楽しみが見える日、あなたはどちらのほうが1日に張りを持てるだろうか。
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1部で著者に起こった変化、2部でそのメソッドが解説。実際に使ったという家計簿アプリも紹介されています