運動や食事制限など「長続きしないこと」ってありますよね。でもそれは「続けること」に頑張って疲れてしまっているからかもしれません。そこで、家計簿をつけることで「ダイエットを習慣化」するメソッドが話題となった『家計簿つけたら、ヤセました!』(川下和彦/あさ出版)から、三日坊主にならない「節約しながらダイエット」の方法を連載形式でご紹介します。
「3」のつくタイミングで3度の転機
皆さんは「マジックナンバー3(スリー)」という言葉を、聞いたことがあるだろうか。「三種の神器」「三権分立」「国民の三大義務」「三大欲求」「三人寄れば文殊(もんじゅ)の知恵」「人に説明するとき具体例は3つに絞れ」など、世界は「3」で動いていると言っても過言ではない。
「3」はまさしく魔法の数字だ。そして、習慣化においても、この「3」という数字が重要な役割を担っている。
人生のどん底で、藁(わら)をもつかむ思いで、私が代わりにつかんだのがスマホだった。夢とか大志とか、そんなきれいごとを言っている場合ではなく、とにかく情けない金銭感覚を直さなければいけないと思ったのだ。
自分がどこまで続けられるか、当時はまったく自信がなかったが、どんなに小さなことでもやらない限り変化は生まれない。
そこで、すぐにできることから始めることにした。まず、ネットで家計簿アプリを検索し、その中から「これだ!」と思うものをスマホにインストールしたのである。
小遣いを管理して、無駄な出費を控えるようにしよう!
最初は、ただその思いだけで、デジタル家計簿をつけ始めた。すると、なんと、「3」のつくタイミングで3度の転機を体験することになったのである。
・1度目のターニングポイント:貯め体質に変化
・2度目のターニングポイント:ヤセ体質に変化
・3度目のターニングポイント:モテ体質に変化
ターニングポイント1
1度目の転機は、スマホで家計簿をつけ始めてから3日後に訪れた。何をやっても続かなかった私だが、1日数回スマホをいじるぐらいならできるかもしれない、とスマホをつかんだ。
家計簿を持ち歩いて、買い物するたびにペンで記録するとなると骨が折れる。やがて心も折れる。
ところが、スマホのカメラでレシートを撮影するだけなら、たいした手間はかからない。おまけに、買い物した費目や金額がすべてグラフで表示されるので、毎日どれだけ節約に成功したかが一目でわかり、得した気分になる。
「今日は昨日よりもいい得点を目指そう!」――そうやってゲームに夢中になるように、私は家計簿をつけることにハマっていった。
3日後、私は「貯め体質」に変化していた。
ターニングポイント2
2度目の転機は、3週間後に訪れた。〝節約ゲーム〟がおもしろくなってくると、それまで自分がいかに浪費していたかが浮き彫りになった。
出費の中でも、特に大きな割合を占めていたのは、「飲食費」と「交通費」。本能のおもむくまま、食べることと楽することに、たくさんのお金を使っていたのだ。
・何かを食べるときに、あれこれトッピングする
・少し疲れると、すぐにタクシーに乗る
・家から最寄駅まで、歩いて行ける距離なのにバスに乗る
・コンビニに寄り、お菓子をかごに入れる
・喉が渇くと、すぐに自動販売機で飲み物を買う
などなど。
しかし、節約ゲームで高得点をはじき出そうとすると、支出を見直さなければならない。そこで、飲食費と交通費にメスを入れることにした。
すると、節約ゲームにハマっているので、選択的に食事するようになり、なるべく交通機関を使わず歩いて移動するようになっていった。そして、気がついたときには5㎏以上体が軽くなっていた。
3週間後、私は「ヤセ体質」に変化していた。
ターニングポイント3
3度目の転機は、3ヶ月後に訪れた。贅肉が落ちてくると、せっかくだからこの調子でベストな体型を目指したいと思うようになる。
交通費を削ってウォーキングするだけではもの足りず、もっと運動したいと考えるようになっていった。そうかといって、ジムに通うと時間もお金もかかる。
それなら、自宅でできることをやればいい。私は自宅の室内で、無理なくできるトレーニングに取り組むことにした。
すると、日に日に自分のシルエットが変わっていくのがわかった。
極めつけの変化は、身だしなみへの目覚めだ。体のラインがきれいになってくると、これまで体型を隠そうとしてダブダブの服を着ていたのに対し、体型にジャストフィットする服を着たいと思うようになり、今まで面倒だった洋服選びやおしゃれをするのが、楽しくなっていったのである。
やがて、友人や知人から次々に「ヤセたね」「若返ったね」と言われるようになり、「やればできるんだね」と見直されるようになった。
3ヶ月後、私は「モテ体質」に変化していた。
貯金→ダイエット→モテ
貯まる、ヤセる、モテる、すべてを実現できたことで、自分に自信が持てるようになり、私の人生は劇的に変わったのである。
イラスト/高田真弓
1部で著者に起こった変化、2部でそのメソッドが解説。実際に使ったという家計簿アプリも紹介されています