「内向的な性格を変えたい・・・」それ、やめた方がいいかも。内向的な人と外交的な人の根本的な違い

人と一緒にいるのが疲れる、人付き合いが苦手など対人関係に悩みを抱えていませんか。自身も極度の人見知りという午堂登紀雄さんは「外交的な付き合い方が苦手でも生きていける」といいます。そんな午堂さんの著書『「人見知り」として生きていくとと決めたら読む本』(すばる舎)から、口下手や人見知りでも無理せずコミュニケーションができ、孤独すらも楽しむコツを連載形式でお届けします。

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内向的な人は興味関心が自分の内部に向く

自分の資質を活かして生きていくには、内向的であることを受け入れる必要があります。

なかにはそれができず、「内向的な性格を変えたい」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、その努力が報われる可能性はほぼ皆無で、ストレスがたまってつらいだけ。

その後に訪れるのは、劣等感と自己嫌悪です。

かつて、私も経験済みです。

それはなぜかというと、外向的か内向的かというのは、生きる世界が違うといえるほど、大きな違いがあるからです。

「内向的」とは興味や関心が自分の内部に向かうことであり、外向的とは興味関心が外部に向くことです。

顕著な違いは、エネルギーを得る方法や消費する方法に表れます。

すなわち、どんなときに元気になり、どんなときに元気がなくなるのか、が大きく違うのです。

外向的な人は、外の世界に出て人と会い、刺激的な経験をしてエネルギーを得ます。

内向的な人は、ひとりになり自分の内部へ向かって思索することでエネルギーを得ます。

また、外向的な人は、ひとりの時間が長く刺激がなければエネルギー不足になるので、外に出て人と会いたくなります。

内向的な人は、外に出て人と会うとエネルギーを消費して疲れてしまいます。

だから人と会ったあとは、ひとりになって充電する必要があります。

このように、内向的な人は、外部からたくさんの刺激を受けるよりも、ひとつのことをじっくり追求するほうを好みます。

自分で咀嚼し、納得できるまで吟味する

もうひとつの資質の違いは、「内的現実」と「外的現実」のどちらが強いかで表現できます。

たとえば同じ風景を描いても全員違った絵になるのは、みな自分のフィルターを通して世界を見て、加工、表現しているからです。

そのため、内的現実が強ければよりデフォルメされた絵になり、外的現実が強ければよりリアルに近い絵になります。

画家や音楽家といった芸術家、漫画家や小説家に内向的な人が多いのは、自分の内部の世界で情報を組み替えたり創造する力が強いからです。

つまり彼らは外的現実よりも内的現実のほうが強いといえます。

外向的な人はソーラーパネルのようなもので、内向的な人は充電池のようなもの、という表現を聞いたことがありますが、内向的な人間である私も納得できるところです。

外向的な人、つまり外的現実が強い人は、外部からの刺激にポンポンと反応できるため、会話のレスポンスが小気味いいとか、交渉上手だったりします。

内向的、つまり内的現実が強い人は、外部の刺激をいったん自分の中に取り込んで、消化してから返そうとします。

だからレスポンスは遅いし口数も少なくなる傾向が強いのです。

このエネルギーの獲得・消費形態や、内的現実と外的現実の強さ、などといった根本的な資質の違いは、生きる世界の違いともいえます。

内向的な人が外交的になろうと努力するのは、自分の本質に逆らう行為であり、非常にストレスフルですし効果も低い。

つまり内向的な自分を憂い、外向的な人間に変わろうとするのは無駄な努力なのです。

【最初から読む】「内向的なタイプ」を受け入れて、逆らわずに生きていく姿勢が大切

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「内向的な性格を変えたい・・・」それ、やめた方がいいかも。内向的な人と外交的な人の根本的な違い 人見知り.jpg気後れしない対人関係の築き方や孤独を楽しむ方法など42のメソッドが全7章で解説されています

 

午堂登紀雄(ごどう・ときお)
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒。米国公認会計士。世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。現在は、株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズと株式会社エデュビジョンの代表取締役を務める。『孤独をたのしむ力』(日本実業出版社)など著書多数。

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『「人見知り」として生きていくとと決めたら読む本』

(午堂登紀雄/すばる舎)

人付き合いや人と一緒にいることが苦手という悩みを抱えていませんか。口下手で根暗だと自称する著者もその悩みを個人の特性と捉え、適した環境に身を置き、その悩みを解消しました。本書ではそれを42のコツにまとめ、孤独を楽しみ、人見知りでも苦にならない人との距離感の保ち方などが紹介されています。

※この記事は『「人見知り」として生きていくとと決めたら読む本』(午堂登紀雄/すばる舎)からの抜粋です。
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