「やせ」に直結しないのに、「筋トレ」と「有酸素運動」をするとやせやすくなる、その理由

活動量を引き上げる「土台づくり」

では、この「土台」をしっかりさせるにはいったいどうすればいいのか――。

そこで登場するのが「運動」なのです。

この「土台」となる活動量を引き上げるには、筋力や心肺機能を上げていかなくてはなりません。そして、筋力を引き上げるには筋トレを行なうことが不可欠であり、心肺機能を引き上げるにはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行なうことが不可欠なのです。

ごく大雑把に流れを説明すると、普段から筋トレと有酸素運動の両方をやっていれば、筋力が向上し、心肺機能もついてきて、おのずと日々の活動量が上がっていきます。すると、自然に消費カロリーも上がり、エネルギーが使われやすい体になっていきます。これに加えて食事のカロリー摂取をコントロールしていけば、あとは自然にやせていくという流れになるわけです。

筋トレと有酸素運動の果たす役割を整理すると次のようになります。

筋トレ―――― 筋力が上がる→重いものを持ったり、階段を駆け上がったりするような負荷のかかる行動が苦にならなくなる→エネルギー消費量が増える

有酸素運動―― 心肺機能が上がる→持久力がついて、継続的活動が可能になる→長い時間歩き続けたり、1日中ちょこまかと動き回ったりしていてもあまり疲れなくなる→エネルギー消費量が増える

要するに、これらの運動をちゃんと行なえば、「活動量が高まって、やせるための体の準備が整いますよ」ということ。すなわち、筋トレも、有酸素運動も、やせやすい体にするための「土台づくり」として欠かせないものであるわけです。

この「土台」をしっかりつくってしまえば、後がかなりラクになります。ある意味、ダイエットでは、この「土台づくり」「下準備」こそが成否のカギを握っていると言ってもいいでしょう。

スポーツでも、受験でも、仕事でも、しっかりと準備をした人のほうが高いパフォーマンスを発揮して成功しやすいものです。それと同じで、ダイエットでもしっかり準備をして「土台」の部分を整えておいたほうが、よりスムーズに「やせる」という結果にたどり着くことができるわけです。

「健康にやせる」「リバウンドせず一生やせたままでいる」という結果を確実に自分のものにするには、しっかりと地ならしをして活動量を高めておかなくてはなりません。そのための「土台づくり」こそが「ダイエットにおける運動の意義」だと言っていいのです。

 

清水忍

トレーニングジムIPFヘッドトレーナー。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)、健康運動指導士。一九六七年、群馬県生まれ。大手フィットネスクラブ勤務後、スポーツトレーナー養成学校講師を経て独立。「なぜ」を追求するロジカルな指導で、メジャーリーガー・菊池雄星投手らプロアスリートのパーソナルトレーナーとして絶大な人気を誇る。ダイエット指導歴三十五年以上。NESTA JAPANエリアマネージャー、菊池投手考案の野球複合型施設「King of the Hill」アドバイザー。「Tarzan」監修など多くのメディアで活躍中。『ロジカル筋トレ』『超宅トレ』など著書・監修書多数。

※本記事は清水忍著の書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎)から一部抜粋・編集しました。
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