ちまたには多くのダイエット方法があふれています。これまで何度もダイエットに挑戦しては失敗を繰り返してきた方も多いのではないでしょうか? 「痩せない要件」を排除して「痩せる要件」のみを採用すれば、合理的な方法でダイエットを成功させられるかも。本稿で紹介するのは、『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』の著者で、ダイエット指導歴35年以上の健康運動指導士・清水忍氏による、「運動」と「食事」の新常識。「痩せた体」「もう太らない体」の土台を作り上げませんか?
※本記事は清水忍著の書籍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎)から一部抜粋・編集しました。
筋トレをがんばると馬力の大きな体になれる
ここからは「やせるための土台づくり」として、筋トレと有酸素運動が私たちにどのような効果をもたらすのかをくわしく見ていくことにしましょう。
まずは、筋トレからです。筋トレでやせることはありませんが、筋トレを行なうと「やせやすいダイエット環境」を手に入れることができます。
どういうことかというと、「体のエンジン」を大きくして、体内のエネルギーをバンバン消費するような体内環境へ変わることが可能になるのです。
そもそも、筋肉は体の中でもっともカロリー消費量の大きな臓器です。次から次にカロリーを使ってくれる大口のお得意様であり、たくさんの量の筋肉を持っている人はカロリー消費量が多く、少ない量の筋肉しか持っていない人はカロリー消費量が少ないということになります。
すなわち、筋肉量が多ければ多いほど、カロリーやエネルギーをたくさん使って体を動かすことができるということなのです。そして、筋トレで筋力をつけて、普段からカロリーやエネルギーをたくさん使っていると、おのずと活動量が増えてくることになります。これによってやせやすい環境が手に入れられるというわけですね。
私はよく、筋肉量を「焼却炉」や「エンジン」の大きさに喩えます。筋肉量が多い人は大きい焼却炉を持っていて、たくさん物を燃やすことができる。あるいは大きいエンジンを持っていて、たくさんガソリンを燃やすことができるというわけです。
また、筋力の強さの点でも有利になってきます。
たとえば、小さなエンジンを積んだ排気量1500ccの車と、大きなエンジンを積んだ排気量3000ccの車では、当然生み出せる力が違ってきますよね。この2台の車が、同じ急な坂道を上ったとしましょう。
小さなエンジン(筋肉量が少ない)の車は、馬力が足りず、坂道の途中でハァハァと息切れしてしまうかもしれません。一方、大きなエンジン(筋肉量が多い)の車は、馬力にものを言わせてグングン坂道を上っていき、息ひとつ乱すことなくラクラク上り切ってしまうことでしょう。
つまり、日々筋トレをがんばって筋肉量をキープしたり増やしたりしていると、筋力がついて日常生活で大きな馬力を発揮することができるのです。
具体的に言えば、急な坂道を上るのがまったく苦にならなくなりますし、駅の階段を一段飛ばしで急いで上ってもまったく息切れしなくなります。ふとんの上げ下ろしをしたり、棚の上にある重い荷物を下ろしたり、重い植木鉢を運んだりといった、ちょっと負荷のかかる作業も、ラクにこなせるようになるはずです。
そして、このようにして日々の活動量が上がると、よりカロリーやエネルギーが消費されやすい体、よりやせるのに適した体になっていくわけです。すなわち、筋トレを行なって筋肉量をつけてエンジンを大きくしていけば、「やせやすい環境」が手に入るというわけです。
「筋肉が発達すると基礎代謝量が上がってやせる」と思っている方が非常に多いですが、そうではありません。発達した筋肉を持っていても、1日中じっとしていたらカロリーは消費しないのです。どんなにエンジンの大きな車でも、走らなければガソリンは1mlも消費しないのと同じことです。筋肉が発達すると、動くのが苦痛でなくなるため活動量が上がり、それによってやせるのだということを覚えておいてください。