作り置きやまとめ買い食材を「冷凍」しておく人は多いはず。でも、いざ解凍すると味が変わっていたり、そもそも解凍が面倒で食材が冷凍庫に眠ったままになっていたり...悩みは尽きませんよね。そこで今回は、長年冷凍食品を研究してきたニチレイフーズ直伝の冷凍をフル活用する神テク集『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』(KADOKAWA)より、便利な「冷凍神テク」をご紹介。これを読めば、あなたも「冷凍」マスターになれるかも!?
※本記事は株式会社ニチレイフーズ監修の書籍『ニチレイフーズの広報さんに教わる 食材の冷凍、これが正解です!』から一部抜粋・編集しました。
もう失敗しない!
冷凍保存の基本ルール
冷凍したはいいけれど「解凍したら味が変わっておいしくない」「解凍がおっくうで、冷凍庫で化石のように眠ってる」そんなお悩みを解決する、野菜・肉・魚の冷凍保存の基本ルールをご紹介!
そもそも冷凍って何?
食品中の水分が凍結すること。冷凍保存しておくことは、保存料を使わずに、食材や食品の劣化を防ぎ、無駄なく使い切ることにつながる。ただし、凍る過程で水が氷結晶となり、食品の細胞壁が破壊されるため、解凍したときに旨み成分が流出したり、食感が変わってしまうことも。
だからこそ、家庭でもできる冷凍のコツが大事!
食品の細胞壁の破壊を最小限に抑えるには、急速冷凍して氷結晶が大きくなる前に凍らせること、食材の乾燥&酸化を防ぐことが大切。業務用冷凍庫のようにはいかないものの、家庭で取り入れられるコツをつかめば冷凍上手に!
野菜の冷凍保存ルール
野菜を冷凍すると味や食感が変わりがち。でも少しのコツで風味は段違い!
「野菜の冷凍」4つの基本
(1)食材を薄く平らにし、効率よく急速冷凍
薄く広げれば短時間で食材が凍り、氷結晶は小さいままなので細胞壁破壊が最小限に! 解凍も早くなり、使う分だけ手で折って使えるメリットも。
(2)金属製のバットなどに食材を並べて冷凍
アルミなど熱伝導の良い金属製のバットにのせて冷凍すると、冷凍までの時間を短縮できる。ラップの上からアルミホイルで包んでも◎。
(3)空気を遮断し、食材を乾燥から守る
冷凍庫内はとても乾燥している。ラップで包む、冷凍用保存袋に入れてなるべく真空状態にするなど、食材から水分が蒸発することを防いで。
(4)粗熱をとり、水気を拭き取って霜を防止!
熱いまま冷凍すると結露で霜ができるうえに、他の冷凍食材の劣化にもつながる。余分な水分も霜の原因になるので、野菜の水気を拭いてから冷凍を。
野菜の冷凍Q&A
どの野菜も冷凍OK? 解凍のコツは?
1.冷凍に不向きな野菜ってある?
A/水分の多い野菜や根菜は、工夫が必要
トマトやレタスなど水分が多い野菜は、凍結時に氷の結晶が大きくなるため食感が変化す
る。また、にんじんや大根、ごぼうなど繊維質の野菜は、解凍したときに繊維の周りの組
織が空洞化し、筋っぽい感じが強くなってしまう。ただし、どれも工夫次第で冷凍できる
ので本書の内容をチェックして!
2.やっぱり下ゆでした方がいい?
A/マストではないけど、風味はよくなる!
加熱が必要な野菜は、下ゆでして冷凍すると、野菜内の酵素を失活させて変色を防ぐことが
でき、解凍後の彩りや風味を保つポイントの一つ。ゆでるときには硬めがベスト。ただし、早めに使い切るなら生で冷凍可能な野菜も。詳しくは野菜ごとの内容をチェック!
3.野菜の冷凍で使える小ワザを教えて!
A/すぐにマネできる3つの小ワザ、あります
(1)野菜は丸ごと買って新鮮なうちに冷凍。丸ごとの大根、キャベツなどは鮮度がよいうえに、値段も割安。購入した日に半分冷凍しておけば、食事作りが時短に。
(2)青ねぎ、しょうが、大葉など少ししか使わない薬味は小分けにラップし冷凍。温度の低い冷凍保管なら香りを長く楽しめ、使う際もラク!
しょうが
(3)鮮度が落ちやすいきのこ類は、購入後すぐに冷凍を! 冷凍することで旨みもUP。
4.下処理やカットは解凍後でもOK?
A/めんどうでも冷凍前に済ませて
凍ったまま調理する場合が多いので、皮をむく、土を落とすなどの下処理を済ませておく
のが大事。用途に合わせて切り、使う量ごとに小分けしてラップで包んでおけば、時短に。
面倒なら、とりあえず大きめに切って冷凍し、いろいろな料理に活用しよう(下写真は玉ね
ぎの切り方の例)。
丸ごと
くし形切り
薄切り
みじん切り
5.解凍で気をつけることはある?
A/凍ったまま加熱調理がおすすめ
「 凍ったまま加熱」が大原則! 冷凍庫から出してすぐに調理すること。解凍後に生で食べられる野菜は、流水解凍がベスト(冷蔵庫で解凍してもOK)。常温に放置すると野菜の水分がどんどん出てしまい、食感が悪くなるので注意。