「節約は最高に楽しい」理由とは。88歳で活躍中の世界最高齢プログラマー・若宮正子さんのスタイル

ITエヴァンジェリスト(伝道者)で「世界最高齢プログラマー」と称される若宮正子さん。

88歳の今もなお、岸田首相主催のデジタル田園都市国家構想実現会議構成員として活躍し、精力的に活動しています。今回は物価高の世の中で節約するべきか?ということをお話いただきました。

この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年7月号に掲載の情報です。

「節約は最高に楽しい」理由とは。88歳で活躍中の世界最高齢プログラマー・若宮正子さんのスタイル 2307_P085_01.jpg

節約は、その先にある人生を充実させるため。
楽しく続けられなかったら本末転倒です。

物価が高騰する中、節約しなければと考えている人が多いようです。

とても大切なことですが、もとより地味な暮らしをしている私は、これまで通りに淡々とやっていけばいいと考えています。

そもそも、貧乏生活が怖くありません。

軍国主義の足音が聞こえ始めた幼少時代から、戦時中、そして終戦後の思春期を迎える頃まで、日本では貧しい暮らしが当たり前だったのですから。

いまはスーパーに行くと物が溢れていますが、昔は物資不足による耐乏生活でした。

それで思い出すのが、終戦後に我が家の近所に住んでいたタキシード姿の男性のことです。

みんな国民服姿なのに!と、初めて遭遇したときはビックリしたけれど、のちに戦前は音楽家として舞台に立っていた人だと知りました。

戦火に家を焼きだされた際、郷里の実家の倉にあったタキシードしか残らなかったのだと。

改めて見てみると、何年も着続けた上着は生地が擦り切れていました。

そんな時代、主婦はいろいろな工夫をして家族を支えていました。

パッチワークもその一つ。

我が家の座布団カバーは、母が古くなった浴衣をぬい合わせて作ったものでした。

よくよく見ると父がはいていた猿股が一部分だったりしたけれど文句は言えません。

その他にもセーターのひじが抜けると生地をあてて補強したり、毛糸をほどいて編み直したり、靴下に穴が開くと糸で繕ったり...。

そうして育った私にとって、SDGs(※)が常識の時代。

洋服を買ったときにタグをぶら下げるためについている安全ピンは捨てずに取っておきます。

有料化することを見越して、何年も前から保管していたレジ袋が段ボール3箱分もあるのでエコバッグも買いません。

それでいて本当に欲しいものは、多少値が張っても躊躇せずに買います。

行きたいと思えば海外にだって行きます。

つまり私が大切にしているのは、生活にメリハリをつけること。

そうしないと無理が続いて破綻してしまいます。

これも貧しい時代に覚えた節約術だといえるでしょう。

幼い頃、我が家では月曜日から土曜日まではご飯とお芋やほうれん草のお浸しとお味噌汁といった質素な食卓でした。

日曜日だけは洋食デーでした。

あの頃食べたコロッケやカレーライスのおいしさは忘れられません。

毎日ぜいたくをしていたら味わうことのできない、豊かな暮らしがあるのです。

かぼちゃの煮物をお隣におすそ分けすると、翌日、お隣からワカメが届いたりして、いまにして思えば、物々交換も節約術の一環でした。

もっとも誰もが貧しかった時代と違って、現代は格差社会。

別の意味で生きづらい時代です。

とはいえ年収が1千万円より500万円の人の方が貯蓄が多いというデータもあるのだとか。

お金は使い方次第なのだと思います。

夏のクーラー代が気になるのなら、昼間は冷房完備の公共の場で読書をする、交通費がムダならできるだけ歩く、といった具合にアイデア次第で生活が楽しくなるような節約術はいろいろ見つかりそうです。

その上で節約だけを目的にするのではなく、節約は充実した人生を送るための手段だと割り切って、いかにお金を使わないで暮らすかをゲーム感覚で楽しむことが長続きの秘訣です。

私は昨日も安く売っていた新鮮な野菜を幾種類か買ってきて、ゆでたり炒めたりした後、袋に小分けして冷凍する作業をしました。

これで和食を作るとしたら? 洋食にするなら? 中華なら? と、バリエーションを考えているとワクワクします。

「節約こそがクリエイティブの源である」と思えば節約は最高に楽しいのです。

※ 持続可能な開発目標

イラスト/樋口たつ乃

 

<教えてくれた人>

若宮正子(わかみや・まさこ)さん

1935年東京生まれ。東京教育大学附属高等学校を卒業後に、銀行へ勤務。定年後に母の介護をしながらパソコンを始める。2016年にアプリの開発を始め、17年に米国アップルによる世界開発者会議「WWDC 2017」に特別招待される。現在、岸田首相主催のデジタル田園都市国家構想実現会議構成員としても活躍中。

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