料理を通して、元気やパワーをもらった経験はありませんか? 70歳の茶々さんは67歳で夫に先立たれて3年、気落ちして卵かけご飯と納豆ご飯ばかりの食生活を送っていました。そんな生活から抜け出すべく、自分のために作るお昼のお弁当と夕食を毎日ブログにアップするように。そんな彼女が綴る生き生きとした暮らしをまとめた書籍『70歳 自分にお弁当を作る満ち足りた生活』には、シニア世代を力づける記録が詰まっています。今回は本書から、ほっこりした気持ちになれる内容を抜粋してお届けします。
※本記事は茶々さんの書籍『70歳 自分にお弁当を作る満ち足りた生活』から一部抜粋・編集しました。
【前回】見栄えがちょっと寂しいときに...お弁当に使える飾り切り
10人分くらいある大作の誕生日ケーキ。表面はゼリーで固めています。
ケーキ作りの翌日は特製マリトッツォで優雅な朝食
4人の孫それぞれの誕生日とクリスマスには、必ず手作りのケーキを届けています。
事前にどんなケーキがいいか聞いてから作るので、これまでに作ってきた種類もいろいろです。
次女の家には宅配便で届けるため、くずれやすいものは送れないのですが、ラッキーなことに、次女の子どもはチョコレートケーキが大好物。
しっかりコーティングしたものを送り、毎回喜ばれています。
ここ数年のクリスマスケーキは、スコップケーキにしています。
100円ショップで買える大きなふた付き容器を使えば、配送する際、多少ゆすられても安心だからです。
一昨年はケーキの表面にフルーツやクリームでサンタクロースの顔を描き、あごには削ったホワイトチョコをひげに見立てて飾って......。
私は、お菓子に絵や文字を描くのが苦手です。
でも、このときのサンタはなかなかいい感じに見えました。
長女宅と次女宅への2つのクリスマスケーキ。宅配便で送った次女分は、顔がバラバラに!?
おいしかったよ、と電話してきた娘に「サンタのひげ、どうだった?」と尋ねると、「え? ひげって?」。
デコレーションのことを説明すると、笑い出しました。
「そういえば、表面にホワイトチョコがちらばってた。あれ、ひげだったんだ」。
まあ、そんなもんですよね......。
頑張ってケーキを作っても、私の口にはひと口も入りません。
でも、作った者だけに与えられる特権もあります。
たとえば、優雅な朝ごはん。
食パンの厚みの部分に切り込みを入れ、あまったクリームをフルーツとともにサンド。
クリームたっぷりの「マリトッツォ風フルーツサンド」で、リッチな気分を楽しめました。
もうからないけど、作り続ける。私は謎のケーキ屋さん
次女のところに宅配便でケーキを送るとき、発送する際に「運送中にくずれてもかまわない」といったようなことを一筆書いたものを求められることがあります。
年に何度もケーキ類を送り、さらに年末にはずっしり重い「おせち料理」なんて書かれたクール便なども発送する私は、宅配便の業者さんにとって気になる存在だったのかもしれません。
あるとき、品目に「ケーキ」と書いた箱を渡すと、集荷に来た人に聞かれました。
「いつもケーキを送ってますよね? ケーキ屋さんなんですか?」。
いやいや、商売どころか......。
私が送っているケーキは、「喜ばれてなんぼ」の非売品です。
「そうなんですよ。材料費も送料も、ぜんぶこっちもちのケーキ屋です」って答えたら、どんな顔をするかな? なんて思いつつ、「アハハ、違うわよ」と答えておきました。
クリスマスにはアップルパイも送ります。りんごの下にスポンジも入れるのが私流。
年に一度ほど、次女から特大サイズの宅配便が届きます。
どのぐらい大きいかといえば、大型サイズのテレビでも入っているのか? と思うぐらい。
でも、重くはありません。
私がひとりで、軽々と運べる程度です。
謎の荷物の中身は、空き容器。
おせち料理の重箱をはじめ、いろいろな形や大きさの保存容器がぎっしり詰まっているんです。
娘には毎回、「わざわざ返さなくていいからね」と言うのですが、それでも律儀に送り返してくるのは、場所をとりすぎるからでしょう。
うわあ、こんなに送ったんだ! ? とびっくりしながら片付けはじめると、空き容器の山の中から、娘からの母の日のプレゼントと孫からの修学旅行のおみやげが......。
うれしいなあ。
だから、ケーキ屋さんはやめられない!