貯金が少ないから老後が心配...多くの人が抱える将来の不安。そんな時代に、「お金がなくても幸せになれる」と言うのは70代の牧師・ミツコさん。著書『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(すばる舎)の中では、その暮らしぶりを伝えています。今回は同著書から、ミツコさんが感じた仕事のやりがいや日常の感動など、人生を充実して過ごすためのヒントをお届けします。
いつでも笑顔を。あちこちに鏡を置いて表情チェック
笑顔になるだけで、人の免疫力がアップするそうですね。
テレビ番組で見ましたが、口角を上げるだけでいいそう。
実際に、こんなことがありました。
80代の知人は脳をがんにおかされ、末期の宣告を受けました。
私が「笑顔で人のために何かするといいですよ」とすすめたら、できる範囲で実行し、元気になり、もう3年も生きています。
もちろん、重い病の人全員がこれで治るとは思いませんが、「病気になるとマイナス思考になる。いつも笑顔でいること、そして人のために働くことは、プラス思考を生み、血の巡りがよくなって症状改善に効果がある」と、私は思っています。
私もできるだけ笑顔で過ごすようにしています。
机や台所に小さな鏡を置いて、ときどき自分の表情をチェックします。
難しい顔をしていたら、鏡に向かって笑顔になってみることも。
小さいことですが、不思議と気持ちが明るくなるのです。
牧師の仕事は常に人と対面する仕事です。
いつでも相手にとって、よい表情ができているか。
無意識のときに「嫌な表情」を浮かべていないか。
それをチェックするためでもあります。
とはいえ、どうしても笑顔になれないときもあります。
そんなときは、無理はしません。
感情を殺さないようにし、落ち込むときは落ち込むし、泣きたいときは泣きます。
そして、怒りたいときは怒ります。
ただし、その姿を人に見せるかどうかは別のこと。
人前で泣かなくてもいいのだから、自分ひとりで思いっきり泣きます。
私は、自分にはいつも正直にありたいと思っています。
悲しいときや悔しいときは、神様に祈ります。
神様にいろいろぶちまけて、自分の感情を丸出しにします。
そうすると、私はなぜ悲しいと思っているのか理由がわかり、すーっと冷静になれるのです。
「相手のせいにしていたけれど、原因は自分にもあった。じゃあ、仕方がないか」と思えるのです。
祈るということは神様との対話であり、つまり自分の感情を言語化することなのだと思います。
落ち込みから立ち直るとき、その気持ちを文章に書いてみるという方法がありますが、同じなのかもしれません。
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74歳の牧師がつづる、一人暮らしの老後生活。健康管理法やお金の価値感などについて全6章で紹介されています