55歳独身。「エンディングノート」を書き始めたきっかけは母の入院でした

夫への不満、義両親とのいざこざ、相続問題、お金のトラブル、年を重ねるほど悩ましいキャリア問題などなど...。人生、「モヤモヤ」や「悩み」が尽きませんよね。そんなモヤモヤ、悩みに対して、その道の専門家がアドバイス。あなたのお悩み解決のヒントがここで見つかるかも⁉
pixta_31584999_S.jpg<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みすず
性別:女
年齢:55
プロフィール:私は、55歳独身。87歳の母との2人暮らしです。今、私はエンディングノートを作成中です。

◇◇◇

去年、母が大病をして1年近くの入院生活を余儀なくされました。これをきっかけに、いろんなことを考えさせられました。
仕事ばかりで精一杯だったところに、母の突然の入院。私は今まで母に頼り切りだったので何も分かりません。母の病気の心配はもちろんでしたが、もしものことがあったら葬儀はどうしよう、1人になったらどうしようと、悪いことばかり考えてしまっていました。

私は結婚したことがなく、子供もいません。母がいなくなったら1人になります。私は死ぬまで元気に働きたいし、好きなこともやりたい。でもそう思う反面、いつ病気になるか、身体が不自由になるか、あるいは認知症になるかも分かりません。そして必ずいつかは亡くなることでしょう。そんな時は、7歳上の兄か4歳上の姉、もしかしたら、タイミングによっては甥か姪にまで面倒をかけることになるかもしれません。


その時私は、以前テレビ番組で見たエンディングノートのことを思い出しました。せめて、エンディングノートに、病気や認知症になった時にして欲しいこと、死後の対応などを記しておくことで、後の人に余計な負担を与えることなく、スムーズに対応してもらえるのではないかと思ったのです。そこで私は、エンディングノートを作成しはじめました。

100円ショップでB5サイズの穴あきのクリアファイルと穴あきの用紙を買ってきて、パソコンで文面を作成し、印刷してファイルに閉じることにしました。このタイプにした理由は、いつも新しい情報にしておくために、差し替えができるように。エンディングノートの内容もその時の状況、その時代で変わるものだと思ったからです。そして、人が見やすいように、インデックスを使って項目別に分けることにしました。とりあえず、資産と葬儀とその他に大きく分け、その中にも小分け項目を作るなど。

資産といってもそれほどありませんが、預貯金の銀行名と口座番号の一覧、加入している生命保険の一覧、投資の口座と内容、また、今持っているローンのこと。改めて一覧にしてみると今の自分の現状も把握できるものです。次に葬儀について、互助会の会員になっているので、簡単な家庭葬で必要な金額の費用を準備している内容、知らせてほしい人の一覧。その他の所には、持ち物で価値のある物をピックアップし、売ればお金になることなどを表記。カラフルに花などのイラストも入れました。
エンディングノートというと、何か悲しい響きを感じていたのですが、作成しはじめるといろいろなことに気づき、段々と楽しくなってきました。

今後は項目も増やし、病気のことや介護が必要になった時の施設などのことも考えておかないと。後の方の負担を最小限にする目的で作成をはじめたエンディングノートですが、未来の自分にどう備えるべきかを改めて具体的に考えさせられるいい機会にもなっています。また、なるべく迷惑掛けたくないと思うと、いつまでも健康に元気で暮らすことが一番。最近健康についても考えるようになり、今は食生活に興味をもつようになりました。

普段忙しく、兄姉、甥姪ともゆっくり話す機会もありません。特にもしものことがあったらなんて話になることもありません。兄一家は遠方に暮らしているので、姉の長女である信頼できる姪と少しずつコミュニケーションをとりながら、エンディングノートの存在を話し、もしものことのお願いをしようと思っています。

【エンディングノートについての専門家のアドバイス】  

がん患者の精神的ケアの分野で活躍する精神科医の保坂 隆先生は「エンディングノート」をつけることをすすめています。「エンディングノート」とは、人生の最終章に備え自分の希望をまとめて書いておくノートのことです。意識障害の患者を多く見てきた精神科医の保坂 隆先生は、医師の立場からも明文化をすすめます。

年に一度、心の整理をしましょう

「健康寿命の平均は男性が71歳、女性が74歳、健康でいられる時間は意外と短いのです。だからエンディングノートを書き、年1回内容を更新して家族と話をしましょう。何が大切か、これから何をしたいか、自身の心を整理することにもつながります」
保坂先生は、大きく以下の4つのことを書くとよいといいます。書式は自由でOKですが、書き方に迷ったら、文房具店などで販売されている市販のエンディングノートを使うのもおすすめです。年に一度の"心の整理"をし、自分自身を見つめてみませんか?

  

エンディングノートに書いておきたいこと

◆自分史
いままでの人生を書くことで、人生の棚卸しの機会になります。生い立ち、学生時代や仕事、楽しかったことやつらかったことなど順に思い出しながら書いてみましょう。

◆財産・相続
お金のことは家族間のトラブルになることも多いので、意思を伝えておきましょう。財産の管理をお願いしたい人はだれ? 財産分与や形見分けをどうする? 遺言書はある?など。

◆医療・介護
治療や介護をどのようにしたいですか? 持病はあるか、介護を誰に頼むか、病名・余命の告知を希望するかなど、健康や暮らしに関わる意思を伝えましょう。

◆葬儀・お墓
自分が亡くなったら葬儀やお墓はどうしたいか、葬儀のときに連絡をしてほしい人、してほしくない人、遺影に使いたい写真など、希望を伝えましょう。

<教えてくれた人>
保坂 隆(ほさか・たかし)先生

1952年生まれ。医学博士。2017年7月まで聖路加国際病院リエゾンセンター長、同精神腫瘍科部長。専門は精神医学、心身医学など。『心が軽くなる「老後の整理術」』(PHP文庫)など著書多数。

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