ただ、夫にも言いたいことがある。夫は順番を間違えている。なぜ好きな女を作る前に、妻に離婚を切り出さなかったのか。逃げ場を作ってしまう前に、とことん話し合うべきだったのだ。それが夫として、父親として、そして男としての責任のはずである。
彼女がどうしても離婚したくないと訴えれば、叶えられる可能性もあるかもしれない。何しろ有責は恋人を作った夫の方が大きい。が、彼女のモラハラも有責となれば相殺される可能性もある。
これから互いに弁護士を立てて向き合うことになるのだろう。調停では終わらず、裁判になるかもしれない。お金もかかるし、時間も費やす。互いに疲弊するに違いない。それを承知の上で、なお夫を取り戻したいのなら、肚を括って向き合うしかない。
ただ、そうすると決めた以上は、もう愛情云々ではなく、戦いと思った方がいい。
離婚を迫る夫との戦い。その背後に存在する夫の恋人との戦い。そして後悔と嫉妬に苛まれる自分との戦い。何より、子供たちを守るための戦い。
戦いは心ではなく頭でするもの。そのためにもしっかりと策を巡らせなければ。
夫への愛をかみしめるのは戦いの後でいい。
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