今日の服、仕事の準備・・・積み重なる「小さな迷い」がパッと消える。45歳の人気モデル・香菜子さんの「そもそも時短術」

仕事にお金、住まいなど、これからの暮らし方に悩むことも多い40代。日々を楽しむために、「自分が大切にしたいことを暮らしに取り入れて、いらなくなったものをなくしている」と言う人気モデルでデザイナー、母でもある香菜子さん。今年で45歳を迎えた彼女が、40代からの暮らし方をまとめたフォトエッセイ『毎日、無理なく、機嫌よく。』(すばる舎)から、気持ちを軽くして日々を過ごせるヒントを連載形式でお届けします。

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迷ったときは「そもそも考」

人は日々、迷う生きものです。

今日の献立を考えるとき、着て行く洋服を選ぶとき......。

いったん迷い始めると、なかなか決まらず、予想以上に時間がかかってしまったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

以前のわたしも、迷って多くの時間を無駄にしていたことがありました。

それがいやだったので、次第に、先に目的を考えてから行動するようになりました。

最初に「そもそも」を考えると、自ずと選ぶものや行動が決まってきます。

ある日の夕飯だったら、「今日は寒い」→「温まりたい」→「生姜を使った温かいメニューにしよう」こんな感じで献立が決まります。

このように、普段の生活で「そもそも」を見つけると、迷う時間が少なくて済みますよね。

名づけて、「そもそも時短術」!(今、勝手に命名)。

献立決めに限らず、「今日のコーディネートをどうするか?」を考えるときにも、この「そもそも」は使えます。

コーディネート選びは楽しいですが、毎日考えるのは、なかなかしんどい作業でもあり、迷いますよね。

「そもそも考」コーディネートでは、まず出かけるときに、今日のメインの目的を考えます。

たとえば「洋服を買いに行く」という用事ならば、試着室に入る可能性が出てきます。

ならば靴は、着脱が簡単なほうがいい。

これがヒモ靴だったら、ヒモをほどいたり結んだりするのがめんどうになり、「試着めんどくさいからいいや。これください」なんて言っちゃって、帰宅後「サイズ感が変......もっとちゃんと試着しとけばよかった」なんてことにもなりかねません。

だからそんな日は、靴からコーディネートを考えるのです。

わたしの最近のお気に入り着脱簡単靴は、ヒールがやや低めなデザインのサイドゴアブーツ。

よく履くので、サイドのゴムが緩くなったのも幸いして、脱ぎやすいのです。

靴はこれで決まりました。

そして、このブーツに似合うデニムを持ってきます。

少し足元を軽くしたいから数センチ裾を折り上げます。

デニムが細身なので、上半身も細いシルエットだと、なんだか木の棒みたくなってしまうので、少しゆったりしたニットを合わせます。

これもまた、着脱しやすいもの。

そして最後に、それに合うコートを羽織って完成です。

この「そもそも考」は、仕事にも使えます。

わたしはモデルの仕事をするときは、香水をつけて出かけません。

なぜかと言うと、スタイリストさんがブランドさんから借りてきた洋服に、においがついてしまうからです。

場合によっては返却できず、買いとらなければならないこともあります。

そうなったら大変。

迷惑をかけてしまいます。

そもそも今日のわたしの仕事は、自分をよく見せるために香水やアクセサリーで着飾ることではなく、洋服をすてきに見せるために存在することです。

前日に飲みすぎて、顔がぱんぱんにむくんでいても台無しです。

飲み会のお誘いは楽しいから行きたくなるけれど、前日はお酒を控えて翌日に備えたい。

お風呂にゆっくり浸かって温まり、風呂上がりはストレッチなどをして早く床につきます。

「そもそも、今、自分ができる一番ベストはなんだろう?」

それを考えることができたら、迷いはいつのまにか消えているはずです。

これを読んだら、みなさんもひとつ、「今日のそもそも」を試してみてはいかがでしょうか。

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コーディネートはTPOに合わせて"服"から考えることが多いですが、その日の行動によっては、"靴"から考えることもあります。今日はお座敷で和食の会食なんて日は、脱ぎ履きしやすいものを選びます。

写真/砂原 文

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今日の服、仕事の準備・・・積み重なる「小さな迷い」がパッと消える。45歳の人気モデル・香菜子さんの「そもそも時短術」 106-H1-murinaku.jpg「自分のものさし」「体と心の管理」など、5つの視点で「40代の自分」との向き合い方がわかるヒントが散りばめられています

 

香菜子(かなこ)
1975年、栃木県足利市生まれ。在学中にモデルを始め、1998年に出産を機に引退。2005年、第二子出産を機に雑貨ブランド「LOTA PRODUCT(ロタ プロダクト)」を設立。2008年にイラストレーターとして活動を開始し、モデル業も復帰。2018年には架空のホテル「VILHELMS」を作り、備品などイメージしたプロダクトの制作を開始。著書に『普段着BOOK』(主婦と生活社)、『香菜子さんのおとな服練習帖』(宝島社)などがある。

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『毎日、無理なく、機嫌よく。』

(香菜子/すばる舎)

23歳で第一子を出産し、モデル業を引退。30歳で第二子出産後、雑貨ブランドを設立し、33歳のころからはイラストレーターとして活動。さまざまなことにチャレンジしてきた著者が45歳を迎えた今、母親として、社会人として、日々感じるつらい思いを無理なく受け入れて、人生を機嫌よく楽しめる考え方をまとめたフォトエッセイ。人生の折り返し地点を迎えたあなたの肩の力を、そっと抜いてくれます。

※この記事は『毎日、無理なく、機嫌よく。』(香菜子/すばる舎)からの抜粋です。
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