貯金が少ないから老後が心配...多くの人が抱える将来の不安。そんな時代に、「お金がなくても幸せになれる」と言うのは70代の牧師・ミツコさん。著書『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(すばる舎)の中では、その暮らしぶりを伝えています。今回は同著書から、ミツコさんが感じた仕事のやりがいや日常の感動など、人生を充実して過ごすためのヒントをお届けします。
「具だくさん味噌汁」で野菜を多くとる
食事は毎日の楽しみでもあり、健康管理の重要な要素です。
料理を作るのは苦ではないので、ひとり暮らしの今は、自分の好きなものを食べられて幸せです。
手作りは好きな味付けにできるし、よけいな添加物も入っていないので健康的。
外食やお惣菜を買うとお金がかかりますが、手作りなら節約もできます。
気をつけているのは、栄養バランスを考えること。
ご飯やパンなどの炭水化物の主食。
魚や肉、卵、チーズなどたんぱく質の主菜。
野菜、きのこ類、小魚や海藻のビタミンやミネラルの副菜。
この3つの要素を揃えています。
量はたくさん食べられないので少量にし、種類を多めに。
1食で9~10品並ぶようにしています。
これも、父の教えの「1日30品目食べる」を覚えているからでしょうか。
なかなか難しいですが目指すようにしています。
自分で作ったおかずが10品、ということではなく、買ってきた納豆や黒にんにくなども1品と数えています。
副菜は毎食作るのではなく、一度に多く作り、それを数日かけて食べます。
大人数の食事を作っていた頃のくせで、つい作りすぎてしまうのです。
また、そのほうが経済的でもあります。
ひとり分の食事を作るのは、逆に難しいです。
〈ある日の朝・昼・夕ご飯〉
●朝...パン、チーズ、茹で卵、ほうれん草の胡麻和え、大豆モヤシのナムル、納豆4分の1パック、フルーツ
●昼...ご飯(もち麦入り)、じゃがいも・にんじん・オクラ・豆腐の味噌汁、ブリの照り焼き、大根とにんじんのなます、茎わかめとにんじんの煮物、ミニトマトと玉ねぎのマリネ、小松菜のだし浸し、生姜の甘酢漬け、納豆4分の1パック、黒にんにく
●夜...ご飯(もち麦入り)、じゃがいも・にんじん・オクラ・豆腐の味噌汁、カレイの煮付け、大根の皮と葉のきんぴら、ほうれん草の胡麻和え、大豆モヤシのナムル、納豆4分の1パック、らっきょう、ぬか漬け(大根・にんじん)
朝はパンと決めています。
また、昼は麺類などにすることはなく、夜と同じかそれ以上に品数を並べ、ご飯と主菜でいただきます。
健康のため、ご飯にはもち麦を入れて炊いています。
私の中で、いくつかルールを作っています。
・なるべく2食続けて同じものを食べないようにしています。
副菜だけでなく、たとえばビーフシチューなど、1回では食べきれない量のおかずを作ることが多いです。
そのときも、1日目の昼に食べたら、その日の夜には食べず、翌日の昼に食べるなど、間をあけるようにしています。
栄養バランスはもちろんですが、続くと飽きるのも避けたいなと思います。
・味噌汁は手軽に野菜がとれるので、いつも3種類ぐらいの野菜を入れて具だくさんに。
かつて大人数の食事を作っていた頃から、具だくさん味噌汁は定番でした。
冷蔵庫に余った野菜やきのこ類も活用します。
1回作ると4杯分になりますが、塩分が気になるので1日2回に。
味が落ちないうちに、2日間で飲み終わらせます。
味噌は発酵食品でガン予防に効果が期待できるので、欠かせないメニューです。
・納豆か蒸し大豆を必ず毎食とります。
蒸し大豆が血液をサラサラにするとテレビで見たので、1回20粒を目安に。
納豆は私のアレンジです。
生協で購入できる蒸し大豆と納豆を交互に食べています。
蒸し大豆1パックが20粒×4回分、納豆1パックの4分の1がだいたい20粒ほどなので、1パック4回に分けて。
・果物はよく食べるけれど、いちご2個、巨峰2粒、りんご4分の1個、甘夏4分の1個など少量にしています。
夫の糖尿病食を勉強したとき、果物は糖分が多いので食べすぎないようにと指導されたのが、活かされています。
また、私は中性脂肪が高くなりやすいので、甘い果物は注意が必要。
少量にしていますが、自然の甘みは満足感があります。
・ぬか漬けは結婚してから50年近く作り続けています。
自分で作ったものは好みの食べ頃にできるので、一番おいしい。
ひとり分なので、大量のぬか床は必要ありません。
コンパクトな保存容器に入れ、冷蔵庫で保管すれば、混ぜるのは1週間に1回で大丈夫。
布巾で表面を覆うと、野菜から出てくる水分を吸収してくれ、ぬか床がべちゃべちゃになりません。
これは義理の母から教えてもらったことです。
野菜は何でもよいのですが、私はきゅうり、大根、にんじん、かぶが好き。
大根のしっぽなど切れ端部分も入れて。
野菜を使いきることができ、おまけにとてもおいしい。
植物乳酸菌のおかげで、腸内環境が整います。
味噌汁でもぬか漬けでも、野菜をとるので、食卓にはいつも野菜がたくさん並びます。
野菜だけでお腹がいっぱいになってしまうことも。
【最初から読む】「幸せの98%は大変なこと。2%は・・・」女性牧師、70歳から一人暮らしを始めて思うマイペースな「幸せ」
【まとめ読み】「74歳、ないのはお金だけ。」記事リストはこちら!
74歳の牧師がつづる、一人暮らしの老後生活。健康管理法やお金の価値感などについて全6章で紹介されています