家庭に仕事、交友関係まで、あらゆる場面で抱えてしまう「ストレス」。頑張れば頑張るほど、なぜかたまっていく人は、もう少し「自分を大切に」した方がいいかもしれません。そこで、「幸福度の高い国」として有名なスウェーデンで国民的ベストセラーとなった『北欧スウェーデン式自分を大切にする生き方 心の病を抜け出した夫婦からのアドバイス27』(文響社)から、幸せな国で暮らす人々が共感した「自分を大切にできる方法」を連載形式で紹介します。
ストレス障害は誰にでも起こりうる。
これは、スウェーデンの作家でありジャーナリストの、アニータ・ゴールドマンが数年前に書いたものです。
「もはや『警告信号』ではなく、流行病の域に入っています。社会全体が深刻な危機にあります。気分よく暮らせない社会を生んでしまっているのです。保育所に預けられた子どもも、老人ホームの孤独なお年寄りも、そして、目覚ましく進歩したこの国の最大の象徴である、子育てと仕事を両立させている高学歴・高収入の若い女性たちも、気分がすぐれないのです。両立どころか、つぶれてしまっています。職場環境をちょっと変えてみたり、パートタイムの働き口を増やしてみたり、保育サービスを改善してみたりすれば、すべて解決できるのでしょうか。そんなやり方では解決できないほど、事態は深刻だとわたしは思います。自分たちがつくりあげてきたこの社会で、うまくやっていけるとは思えないのです!」
ストレス障害は、誰にでも起こりうる病気です。
貧富の差、老若男女、仕事のあるなしも関係ありません。
わたしたちは電子音や機械音に絶えずさらされて生活しているため、静けさを感じることがめったにありません。
電気のおかげで、いつまででも起きていられます。
起きている時間が長くなった結果、睡眠やリラックスの時間が減っているのです。
昔の人は日の出とともに起き、暗くてもうなにも見えなくなると床に就きました。
昔のほうがすべてよかった、と言うつもりはありませんが、過去から学べることがいろいろあるのも事実です。
産業が発展するにつれて失われていった、生活をするうえでのさまざまな基本的な知恵や能力もそうです。
こうした知恵や能力の多くは、暮らしのなかで自然に身につけてきたものです。
人の身体機能は、いまも昔の人と変わっていません。
習性は変わっても、脳は変わっていないのです。
アニータ・ゴールドマンがほかにもこう述べています。
「人の脳は、いまのように多すぎる情報を処理するようにはできていません。(中略)人間は大草原で暮らすようにできていて、そこでなら、自分の感情に静かに落ち着いて向き合えるのです」
常にストレスを抱えていると、さまざまな身体機能が不安定になりやすくなります。
生物学的観点から言えば、なにか悪い部分があれば身体が警告のサインを出すようになっていますが、そうしたサインを頭(理性)が無視してしまいがちなのです。
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