20代で結婚して、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で中道さんが見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」をご紹介。今回は、中道さんが今気になっている「ドイツ流のメリハリのある生活」についてお伝えします。
前回の記事:50代はまだまだ若い。「好きなことが分からない」というアラフィフ女性に伝えたいこと
作家、小川糸さんのエッセイ『針と糸』に綴られる、ドイツ・ベルリンでのメリハリある生活にすごく憧れています。
例えば、「自分だけのルール」という項目にはこんな風に書き記されていました。
「ある週末、近所のカフェに行ったら、いつもはつながるはずのWi-Fiがつながらなかった(中略)週末はあえてインターネットがつながらないようにしていたのだ」。
それは、「せっかくの週末なのだから、パソコンやスマートフォンの画面ばかり見ていないで、友だちと話たり、空を見たり、おいしいもの食べたりしましょうよ」というお店からのメッセージなのだそうです。
本当にそう。
わが家では起きている時にはリビングで家族みんなが各々好きな場所でスマホを見ています。
オンラインゲームをしたりSNSを見たり、私はひたすら仕事をしているかブログかSNS投稿をしていたり。
それが悪いってわけではないけれど、それだけっていうのもいただけないと感じていました。
本書によると、ドイツ人は平日と週末を区別するのが上手なんだとか。
仕事ばかりで流されるように暮らしたくない。
自分の暮らしは自分で作っていくもの。
私の場合は週末に仕事が多く、単純に平日と週末には分けられないけれど、完全オフ日を作れるようにと、少しずつ生活を改めているところです。
行きたい場所には仕事より優先してスケジュールを空ける。
今年購入したスケジュール帳には今年やりたいこと100のリストを書くページがあり、そのリストには仕事とプライベートのやりたいことの制限を設けずに書いてみました。
意識したことは、オフの予定。
月に一度映画を観る。
月に一度京都に行く。
月に5冊本を読む。
そして旅の予定も。
リスト化することで先にオフの予定をスケジュールに書き込みます。
読書の習慣はあり月に5冊程度はスキマ時間に読んでいます。
以前のように読書の為にカフェにいく休日の復活です。
「いつか時間があれば休もう、やりたいことをしよう」と思っても、昨年はついつい先のばしになって仕事ばかりしていました。
その分、この年末年始は、仕事をせずに家族との時間を大切にしました。
楽しく過ごすことでエネルギーチャージを体感できました。
休日の経験がアウトプットにもつながっていくこともよくわかりました。
休日があるからこそ仕事も上手くいくような気がします。
本書には犬との暮らしも綴られていて、とても共感できるのです。
「自由と義務」の項目にはドイツらしいエピソードがありました。
「ある週末、郊外にある森へ犬を連れて出かけた。そこは、犬を飼っているベルリーナたちが、週末になるとこぞって集まる場所だという。(中略)犬と人が共に豊かな時間を謳歌していた」。
日本の都会に森はありませんし、大きな公園で犬のリードをつけたまま散歩するのが限界です。
でも、わが家のイングリッシュコッカーのガクは元は猟犬なので、野山をかけっこしたいに違いないと、家族の休日にドックランに連れて行ってみました。
けれど、クンクンと辺りの匂いを嗅ぎまわるだけで一向に走る気配はありません。
他の犬とじゃれ合うこともありませんでした。
きっと普段の生活とは違うことに戸惑ってしまったのかもしれません。
犬にも休日をと思ったのですが、どうだったのか分かりません。
また、犬に関してはこんなことも書かれていました。
「ドイツでは、犬を飼うのに税金を払うことだ。だから税務署が犬の頭数を把握している。犬を飼うにも、義務と権利がはっきりしているのである」。
痛ましい保護犬のニュースなどを見聞きすることが多い日本。
そういうドイツのはっきりとしたところにすごく惹かれますし、日本も大いに見習うべきかと思うのです。
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