年金の繰り下げや投資、タンス預金...。普段から何げなくしている、お金にまつわる行動や習慣。それって正しいのでしょうか。経済ジャーナリストの荻原博子さんに判定してもらいました。
株式・不動産投資⇒×
得するとは限らない
不動産は予想外の出費も多い!
よほど好きで腕に自信があり、リスクも許容できるなら構いませんが、そうでないなら株式や不動産投資はしないこと。不動産はローン金利など意外に費用がかかります。
クレジットカード⇒△
年会費無料のカード1枚で十分
リボ払いは絶対にしないこと
ポイントやマイルがたまり人気ですが、持つなら年会費無料のもの1 枚で十分。また、支払いは基本的に1 回払いに。リボ払いは金利が高く決して選んではいけません。
スマホ決済⇒〇
ポイントがたまるサービスもあるが使い過ぎには注意すること
タッチやQRコードで支払いができるのは便利です。ポイントがたまるサービスもあります。スマホを使っているならチャレンジするのはあり。ただし、使い過ぎは要注意!
積み立て投資⇒×
毎月の自動積み立ては金融機関の都合だと理解すること
積み立て投資の仕組みは、金融機関の都合を押し付けているだけ。節税効果があるiDeCo も60 歳まではお金は引き出せず、手数料もかかります。預貯金の方が確実です。
リサイクル⇒〇
不要なものは捨てないで積極的にリサイクル
ただ処分するのはもったいないので、リサイクルショップやフリーマーケットを活用すれば、思わぬ収入に。売り買いのコミュニケーションが楽しく、活力になることも。
ポイント⇒△
ためるポイントを絞り有効期限内に使い切る
クレジットカードやT ポイントなどの共通ポイント、店舗独自のサービスがありますが、ためるポイントは絞り込まないと忘れるだけ。ポイント目的に浪費しないように!
年金の繰り下げ⇒△
受給額は増えるけど、よほど長生きしないと損することも
老齢年金は65歳で請求しないで繰り下げると年金額が増額され、70歳からだと42%増額します。逆に言うと、健康で長生きしないと損するのであまり遅らせないことです。
パート・ボランティア⇒〇
生きがい・働きがいを感じながら少しでも収入が得られる
今後は厚生年金の加入対象がパートにも拡大します。これにより収入が減ったとしても、健康で働けるのは何にも代えがたいこと。元気なうちは積極的に外へ出てみては?
株主優待⇒×
ファンではないなら必要なし
優待券ねらいはNG
応援したい会社の株を買うなら構いませんが、そうでないなら不要です。3000 円分の商品のために価格が変動する株式を持つのは本末転倒。お店で買えば十分です。
たんす預金⇒×
振り込め詐欺に遭いやすくなりゴミと一緒に捨てられることも......
マイナス金利の影響で増えていますが、お金が足りなくなるとつい手を付けたり、火事や盗難も心配です。本人が亡くなるとゴミと一緒に捨てられる可能性もあります。
取材・文/大正谷成晴 撮影/関 大介 イラスト/木波本陽子