DVやハラスメント、性犯罪に娘のいじめ...「女性が巻き込まれやすいトラブル」は数多くあります。でも、そうした悩みを解決したくても、「誰かに相談したら逆に悪化するかも...」とどうしていいかわからない人も多いと言います。そこで、弁護士の上谷さくらさんと岸本学さんの著書『おとめ六法』(KADOKAWA)より、女性の味方になってくれる「法律」についてご紹介。ぜひ、ご自身やお子さんがトラブルの参考にしてください。
弁護士さんに相談するのはお金がかかる?
相談費用が払えない......?
「ちょっとお話するだけで何万もかかるのでは?」と聞かれることもありますが、そんなことはありません。
事務所によって基準は違いますが、相談だけの場合、30分で5000円(税別)、というのが一般的です。
事前に相談料がいくらなのか、聞いてみましょう。
インターネットで検索して専門分野を調べ、事務所に直接問い合わせてもいいですし、弁護士会や法テラス(日本司法支援センター)の法律相談に問い合わせてみるのもいいでしょう。
「DV夫と離婚したい」「兄弟姉妹の仲が悪いので相続でもめそう」「犯罪被害にあって刑事裁判に関わることになった」といったような場合、自らの権利を守るためにも弁護士に依頼したほうがよいケースはたくさんあります。
お金がない場合でも、弁護士費用を援助する制度がありますので、利用できるかどうか問い合わせてみましょう。
離婚や相続などの民事・家事事件の場合
無料法律相談
法テラスは、国によって設立された法的トラブル解決のための「総合案内所」です。
一定の資力基準を満たす場合、法律相談を3回まで無料で受けられます。
資力基準は、居住エリアや家族の人数等によって異なりますので、法テラスの公式ホームページで確認してください。
民事法律扶助制度
相談だけでなく、実際に事件を依頼する場合には、あなたの資力に関する基準を満たすと、法テラスが弁護士費用を立替払いする「民事法律扶助制度」があります。
通常の弁護士費用よりもかなり安く基準が定められています。
法テラス、弁護士、利用者の三者契約です。
法テラスが弁護士に直接弁護士費用を支払い、利用者は月々3000円~1万円を分割返済します。
生活保護受給中の場合など、返済義務が免除される場合もあります。
犯罪被害にあった場合
日弁連委託援助制度
犯罪被害者やご遺族のために活動する弁護士に、依頼者に代わって弁護士費用を支払う制度です。
対象となる犯罪は、殺人や傷害、性犯罪、ストーカーなどの生命、身体犯です。
詐欺罪や窃盗罪などの経済犯は対象外です(ただし、下着泥棒などの場合、対象となる場合もあります)。
原則、預貯金や手持ちの現金が300万円以下である場合に利用できます。
依頼できる活動内容は、加害者の告訴・告発、法廷傍聴付き添い、加害者側からの示談の申し出があった時の交渉、報道機関からの取材などに対する対応などです。
国選被害者参加弁護士制度
加害者が起訴された場合、被害者は裁判に出席して、被告人に直接質問したり、検察官とは別に求刑を求めたりすることができます。
これを「被害者参加」といいます。
被害者の預貯金などが200万円以下の場合、国選で弁護士をつけることができ、弁護士費用は国から支払われます。
これを「国選被害者参加弁護士制度」といいます。
対象となる犯罪は、殺人、性被害、交通事故などですので、検察官に確認しましょう。
国選被害者参加弁護士は、被害者参加に関する活動を全面的にサポートします。
なお、被害者参加をして出廷すると、被害者には交通費・宿泊費が支払われ、日当も出ます。
ほかにも書籍では、恋愛・くらし・しごと・結婚など6つの章だてで、女性に起こりうる様々なトラブルに「どう法的に対処すべきか」が解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。
六法やDV防止法、ストーカー規制法...。女性の一生に寄り添う大切な法律が、6章にわたって解説されています。