DVやハラスメント、性犯罪に娘のいじめ...「女性が巻き込まれやすいトラブル」は数多くあります。でも、そうした悩みを解決したくても、「誰かに相談したら逆に悪化するかも...」とどうしていいかわからない人も多いと言います。そこで、弁護士の上谷さくらさんと岸本学さんの著書『おとめ六法』(KADOKAWA)より、女性の味方になってくれる「法律」についてご紹介。ぜひ、ご自身やお子さんがトラブルの参考にしてください。
弁護士に相談って、どうすればいいの?
気軽に相談してOK!
弁護士は、「基本的人権を守り、社会正義を実現すること」を使命としている法律の専門家です。
法律というその国のルールに基づいて、人々の自由、財産、健康などの権利を守るとともに、不正が行われることのないように、社会を見守り、みんなが安心して暮らせる社会になるよう仕事をしています。
ただ普通に生活していると、弁護士に相談する機会はあまりないので、ハードルが高く感じられる人も少なくないでしょう。
そのせいか、かなり事態が悪化してから相談する方が多い印象です。
しかし病気と同じで、早く相談するほど、早く解決する可能性が高いです。
「弁護士に相談するほどのことではない」と思い込まずに、気軽に相談することをおすすめします。
相談した結果、「たいしたことではない」とわかれば、無用な不安を抱き続けずにすみます。
逆に「重大なことと判明」した場合は、すぐに弁護士が対処できます。
相談のコツ
①関係のある書類・資料はすべて持参しよう
事実の経過や契約の内容などを正確に把握するためには、いろいろな書類を確認する必要があります。
また、言葉では説明しにくくても、書類を見ればすぐにわかるということもあります。
関係のありそうな書類や資料は、すべて、相談の際に持って行くのがよいでしょう。
書類は重要な証拠になることもあります。
直接書き込みをしたり、破ったりしないようにしましょう。
②出来事を時間順に並べたメモ
弁護士に事実の経過を正しく理解してもらい、有益なアドバイスを受けるためには、出来事を時間順に並べたメモを作成し、このメモに基づいて相談をするとよいでしょう。
ただし、時間がなかったり、つらくてメモを作れないときは無理する必要はありません。
相談時に口頭で説明しましょう。
③事実をありのままに
弁護士は、事実を正確に把握しないと、的確なアドバイスをすることができません。
弁護士はあなたの秘密を守りますので、自分にとって不利だと思われることや、恥ずかしくて言いにくいことも、ありのままに伝えましょう。
また、自分ではささいなことと思っていても、弁護士の目から見れば重要であることもありますので、自分で判断せずに、なんでも話しましょう。
どんな弁護士さんにお願いしたらいいの?
「どのように弁護士を選んだらいいのですか?」「いい弁護士ってどう判断したらいいのですか?」ということをよく聞かれます。
弁護士は、法律問題についてなんでもわかるわけではありません。
医師と同じで、それぞれに専門分野や得意分野があります。
まずは、専門分野を確認しましょう。
専門分野の知識があっても、弁護士も相談者も人間ですから、合う・合わない、は常に問題になります。
「話しやすい人か」「どんなことでも話してみようと思えるか」「きちんと自分の話を聞いてくれるか」「人として相性が合いそうか」というのが、ひとつの判断基準です。
どれほど素晴らしい専門知識があっても、「話したくない」人とは良好な関係を築くことができず、結果的に不利益を被るおそれもあります。
相談事項について専門分野が合致し、実際に会ってみて「話しやすい」「良好な関係を築けそう」と思ったら、思い切って依頼してもいいでしょう。
弁護士との契約は「委任契約」ですから、嫌になったらいつでも理由なしに解除できます。
セカンドオピニオンを聞いていいの?
病院と同じで、ほかの弁護士にセカンドオピニオンを求めても、まったく問題ありません。
一度相談したからといって、その弁護士に断りを入れる必要もありません。
いろんな弁護士の意見を聞きたいとか、相談した弁護士の考え方や態度に疑問がある場合など、遠慮なくセカンドオピニオンを求めましょう。
長きにわたって一緒に闘っていく可能性があるのですから、「この人なら」と思える人を選んでください。
ほかにも書籍では、恋愛・くらし・しごと・結婚など6つの章だてで、女性に起こりうる様々なトラブルに「どう法的に対処すべきか」が解説されていますので、興味がある方はチェックしてみてくださいね。
六法やDV防止法、ストーカー規制法...。女性の一生に寄り添う大切な法律が、6章にわたって解説されています。