「『小さな暮らし』を選んだのは、終活のためではありません。これからも立ち止まらず、気持ちよく前に進むための方法なのです」と語る管理栄養士で料理研究家の村上祥子さん。今回は「小さな暮らしの10のルール」についてお聞きしました。
【前回】「お助け調理グッズ」で早・うま・カンタン調理を実践! 村上祥子さん80歳の「小さな暮らしのルール」
冷凍庫の中は100gの野菜袋とご飯を入れた容器でいっぱい。
野菜室は、缶切り、骨抜きなどの頻繁に使わない器具を入れています。
【ルール】「食材の整理法」で無駄をなくす
「一人暮らしをしていると食材が余って、その処理に困ります」という声を聞きます。
食品ロスをなくすためにも、食材の使い切りをおすすめしています。
食べ切れないと思ったら、ひとまず冷凍します。
ご飯も炊けたら150gずつ同じ形の保存容器に入れて冷凍。
余った野菜は、一口大に切って100gごとに保存袋に入れて冷凍。
こうしておくと冷蔵庫の中で野菜がしおれるのを防げます。
もう一つは、コンビニの活用です。
私の住まいのそばのコンビニでは、単品で、万能ねぎ、エノキタケ、しょうが、ミニトマト、じゃがいも、玉ねぎ、にんじんと、ベースになる野菜が売られていました。
肉も少量パックで売られています。
これらの食材を購入して1回で使い切るようにすれば、食品ロスが防げます。
また、カット済みのキャベツやレタス、カット後にバラ凍結されたほうれん草やブロッコリー、オクラなど、少量を購入できるものであふれています。
こんなコンビニを使いこなすことも「小さな暮らし」を実践するためにしていただきたいことです。
お近くのコンビニを探検してみてください。
豆腐も納豆も手に入れることができます。
パン床漬け
これも余った野菜の活用法の一つ。
ぬか漬けのような風味に漬かります。
材料と作り方
(1)ボウルにパン粉(乾燥)250g、塩25g、砂糖25g、うま味調味料耳かき1杯を入れて、箸でサラサラになるまでかき混ぜる。
(2)冷水250mlを注ぎ、箸で混ぜてまんべんなく水分をいきわたらせる。
(3) ファスナー付きの保存袋(27×28cm)に詰め、野菜を入れて空気を抜いて口を閉じる。きゅうりは2/3くらいまで3mm間隔で切り込みを入れ、キャベツの葉はさっと湯通しをし、大根は薄い輪切りにして漬ける。漬ける野菜の量はまとめて100g程度。ごぼうを入れておくと発酵を程よく抑えて酸っぱくならない。
自家製切り干し大根
料理を作るときに出た大根の皮をバットや皿にのせて冷蔵庫の上に置きます。
いまの冷蔵庫はトリセツに「壁から5cm離して設置」とあるように、後ろが放熱板を兼用しているので温かく、乾燥野菜作りに最適の場所です。
野菜を乾燥させると重量は約10分の1になります。
材料と作り方
(1)大根の皮をしっかり乾燥させる。
(2) 乾燥大根の皮適宜を水でさっと洗って、固く絞る。
(3)市販のポン酢しょうゆと水を1対2の割合で混ぜ合わせたものに、赤とうがらしの輪切り適宜を加えて(2)を漬ける。
(4)20分ほどでハリハリ漬けのできあがり。清潔な保存瓶に入れて冷蔵保存。1カ月おいしさをキープできる。
撮影/江口 拓(スタジオ COM)