『毎日が発見』本誌で好評の、キルト作家・キャシー中島さんの新連載第3回。キャシー中島さんと息子の洋輔さん、おふたりとも子どもの頃に学校の授業で覚えたというブランケット・ステッチ。世代を超えて愛されるこのおなじみのステッチを、アップリケやはぎ合わせに生かして、秋にぴったりの暮らしの小物を作ってくれました。
「私はあったかひざ掛けを作りました」「僕が作ったのはトートバッグ!」
キャシー中島さん作。ハイビスカスとティアレのひざ掛け
おおらかに咲く南国の花・ハイビスカスとティアレをアップリケしたひざ掛けです。
布は圧縮ウール。刺しゅうというと木綿のイメージがありますが、季節に合わせて、こんな自由な生地選びも楽しいですね。
「キルトなし! 花と布の縁を大きなぬい目のブランケット・ステッチでちくちくアップリケするだけだから簡単よ」
たくさんの花をアップリケするのが大変なら、花数を減らしても。無地の部分を多く残しておき、気が向いたときに一つずつ増やしていってもいいですね。
「家で気軽に洗濯しちゃいましょう。洗ううちに布端がくしゅくしゅっとほつれてくるけれど、それがまたかわいいの」
圧縮ウールの厚みに合わせ、太い5番の刺しゅう糸を使ってアップリケしています。
洋輔さん作。小鳥モチーフのトートバッグ
洋輔さんのトートバッグは、ふかふかの厚手フェルトが素材。ブランケット・ステッチはバッグの縁に施されています。
「フェルトの端を突き合わせて、ステッチでかがるようにはぎ合わせました。ぬい代なしでバッグの形になるんですよ」
緑色の刺しゅう糸が見た目のアクセントにもなっています。もう一つのポイント、小鳥や葉っぱのモチーフはアップリケ?
「図案の通りにフェルトを切り取っているだけ。切りっぱなしでもほつれないフェルトだからできる、簡単で楽しい切りぬき遊びです」
カラフルな木綿のプリントがのぞいてかわいいですね。
小鳥や葉っぱの周囲、茎は、ランニング・ステッチとアウトライン・ステッチで飾っています。
葉っぱ模様に切りぬかれた後ろ面。持ち手はランニング・ステッチでぬい留めています。