きものをリメイクして作る「ゆったりパンツ」の魅力

舞台衣装作家の岡本孝子さんに「きもののリフォーム」について教えていただく、定期誌「毎日が発見」の人気企画。今回ご紹介するのは、趣の異なる2種類のパンツ。形や作り方は同じですが、色柄によってカジュアルにもシックにもなる、ゆったりとした着心地のパンツの仕立て方をご紹介いただきました。

きもの地の色柄によって雰囲気が変わります

格子柄のパンツと黒いパンツは、形も作り方の手順も同じ。岡本さんが趣の異なる2種類のきもので作ってくれました。どちらも思い出深い素材。黒い方は、お母さまの喪服だったそうです。
「雰囲気は色柄や質感次第。しまや小花柄で作ってもきっとすてきです。気なくなったお手持ちのきものを見直してみませんか?」と岡本さん。

格子の紬でカジュアルに

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張りのある紬地のパンツにスニーカーを合わせました。颯爽と着こなしているのは作者・岡本さん(81歳)。鮮やかな色のベストとコーディネート。シンプルな形のパンツだからこそできるおしゃれです。

黒の無地でシックに

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どんなトップスにも合う黒い無地のパンツ。フォーマルな装いをしたい日にも重宝しそうです。ほのかな光沢と滑らかさが絹ならでは。

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左右に大きめの内ポケットが付いています。たまにはこんなポーズで粋な着こなしを楽しむのもいいですね。

雰囲気は違うけれど、作り方は一緒。
とてもはき心地がいいから
別のきもの地で
もう一本作りたくなります

1909p124_07.jpg岡本さんが描いたラフスケッチ

1909p124_06.jpg歩みに合わせて裾がふわりと揺れます
裾の揺れ感もまた、ゆったり幅だからこそのメリット。
きもの地のしなやかさと柔らかさを味わえます。

ウエストはゴム入り
4cmの幅広ゴムテープを使っています。股上が深いので、はいたときに安定感があります。

1909p124_03.jpgきもの地の幅を生かしたゆったり幅
パンツ幅はきもの地の幅と同じ。ゆとりがあるので、座る・立ち上がるの動作もらくらく。

1909p124_04.jpgハンカチや携帯電話をしまえる内ポケット
袋状のポケット布を脇にぬい留めしています。この工程が難しい場合はポケットなしで作っても。

パンツのはき心地の良さが写真からも伝わってきます。その理由は?

「一つはゆったりの名の通り、記事幅を広くしていることね」

平均36〜37cmのきもの地の幅をほぼ切らずにそのまま使いますから、作り方も簡単です。

「窮屈なデザインだと、長時間身に着けるのはつらいもの。でもこれはウエストがゴム入りですから、おなかいっぱい食べても苦しくないですよ(笑)。丈を好みで調整してもいいですね」と岡本さん。

 

岡本孝子(おかもと・たかこ)さん

1937年、東京生まれ。文化服装学院デザイン科卒業。1987年より劇団SCOT主宰の鈴木忠さんとともに舞台衣装制作に携わる。現在もオペラなど多くの舞台衣装を作り続けている。プライベートではきものをリフォームしてはおしゃれを楽しんでいる。

この記事は『毎日が発見』2019年9月号に掲載の情報です。
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