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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。
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未知の暗黒物質「ダークマター」
銀河は泡(あわ)状の膜(まく)の上に並んでいる
星の集まりである銀河は、宇宙の中でどのように分布しているでしょうか。1989年に発表された報告によると、なんと銀河は泡状の膜の上に並んでいるのです。
さらに衝撃的なことは、旧来の考え方ではこの泡構造を説明できないこと。何か新しい物質の存在を仮定しなければ、このような宇宙を説明できません。
そこで登場するのがダークマター(暗黒物質)という未知の物質です。このダークマターは見ることができません。見える物質とは重力でしか影響をおよぼし合わないからです。
ダークマターは銀河を調べる中でも存在が必要とされています。たとえば、銀河では質量が中心に集まっているのに、中心近くの恒星も遠くの恒星も同じ速さで公転しています。常識的には、中心から遠いほど回転速度は遅くなるはずですが、これは銀河空間に別の物質が大量に存在しないと説明できません。それがダークマターと考えられています。
これまで人が調べてきた物質は、宇宙全体の約5パーセントにすぎず、その5~6倍は未知のダークマターが占めていると考えられます。
ちなみに、残りは正体不明のダークエネルギーと呼ばれるものです。
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