意外にデリケート? 地球の軸は大地震で傾くこともある/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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氷河期が現れる原因は地軸の変化!?
地球の軸は〝揺らいで〟いる

地球の回転軸を地軸といいます。現在、この軸は地球が太陽を回る面(公転面)から約23度傾いていますが、これは太陽系誕生期に起きた惑星と地球の衝突が原因と考えられています。意外にデリケート? 地球の軸は大地震で傾くこともある/身近な科学 p164.jpg

 

地軸の角度は不変ではありません。4万年ほどの周期で、22~24.5度の間を揺れています。原因は地球内部の流動性にあると考えられていますが、詳細は未解明です。

地球の傾きの変化は、気候に大きな影響を与えます。たとえば、地球には氷河期が周期的に現れますが、地軸の周期的変化が原因の1つと考えられています。

地球は、この公転面との角度の変化以外に、その角度を保ちながら軸をコマのように回転させます。歳差(さいさ)運動とか味噌すり運動などと呼ばれる方向変化の運動です。また、太陽からの距離も変化します。意外にデリケート? 地球の軸は大地震で傾くこともある/身近な科学 p165.jpg

 

これら3つの変化が重なって北半球の夏の日射量が変動し、それがきっかけとなって氷河期が現れると考えるのがミランコビッチサイクルと呼ばれる理論です。

地軸の向きは地震によっても変化しています。2011年の東日本大震災でも、地軸は地表で17センチほど傾いたと分析されています。地球はけっこうデリケートなのです。

 

次の記事「千葉県で証拠発見! 北極と南極は繰り返し逆転している/身近な科学(43)」はこちら。

 

 

涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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