1個の受精卵から生まれた一卵性双生児は、DNAは同じはずなのに指紋は異なる/身近な科学

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※この記事は『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』(涌井貞美/KADOKAWA)からの抜粋です。

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誕生時のDNAが同じでも異なる特徴を持つ
一卵性双生児(いちらんせいそうせいじ)でも指紋は違う!?

一卵性双生児とは、1個の受精卵が母体の中で2つに分かれ、双子(ふたご)として生まれた子どもです。もとは1つの細胞なので、この双子の体の設計図DNAは基本的に同じはずですが、指紋はなんと、異なるのです。

完全には解明されていませんが、生物は環境によって形を変化させることが知られています。また、1987年にノーベル賞を受賞した利根川進(とねがわ・すすむ)氏の研究で、「体の中には遺伝情報を変化させる細胞がある」こともわかりました。免疫(めんえき)をつかさどるタンパク質[抗体(こうたい)]をつくるリンパ球の1つ、B細胞です。

こうした柔軟なしくみによって、多様な種類の抗体を生み出し、さまざまなウイルスや細菌に対抗しているのです。

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ちなみに、一卵性双生児の違いは指紋だけにとどまりません。顔や声など、いくつもの違いがあります。また、牛の場合、人の指紋に対応するのは鼻の紋様(もんよう)である鼻紋(びもん)ですが、1つの受精卵から育てられた多数のクローン牛でも鼻紋は異なります。この性質は、牛の識別に利用されています。

 

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涌井貞美(わくい さだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。著書は、『図解 身近な科学 信じられない本当の話』『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』(以上KADOKAWA)、『Excelでわかるディープラーニング超入門』『ディープラーニングがわかる数学入門』(以上、技術評論社)、『「物理・化学」の法則・原理・公式がまとめてわかる事典』(ベレ出版)、『図解・ベイズ統計「超」入門』(SBクリエイティブ)など多数。

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『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』

(涌井貞美/KADOKAWA)

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この記事は書籍『[図解]身近な科学 信じられない本当の話』からの抜粋です。

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