時を超えて受け継がれてきた、愛すべき日本の文化。さおり&トニー夫妻が古都京都で、その真髄を堪能してきました!
職人、住職、神主、女将......たくさんの魅力的な人々とお届けする京都和文化探訪、スタートです!
累計300万部突破!「ダーリンは外国人」著者の和文化探訪記、待望の新装版!!
『めづめづ和文化研究所 京都 新装版』から全7回までお届けします。今回は第1回目です。
香道
香木は6世紀ごろ仏教とともに日本に伝わり、寺院で仏前を浄(きよ)めるための供香(そなえこう)として使われました。奈良時代後半には、宮中や貴族の間で部屋や衣服、頭髪などに香を焚(た)きしめる「空薫物(そらだきもの)」が流行ります。
香りが微妙に違う薫物は、「薫物合(たきものあわせ)」という遊びの世界へと発展し、貴族のたしなみとしてとても重要なものになりました。
香道としての始まりは室町時代以降で、決まった手順に基づいて香木のかけらを焚き、立ち上がる香りを楽しみました。
茶道や華道が大成するのとほぼ同時期に香道の形も確立され、それが現在の作法の原形になったと考えられています。香道においては香を「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現します。
薫物合から始まった香遊びは、江戸時代以降になると一般庶民の間にも広まり、芸術性を高めていきました。
◆香道まとめ◆
○香木を焚いてその香りを鑑賞する芸道。
○作法は茶道と似ているが、大きな違いは「香りを当てる」という遊びの要素があること。
○香木の香りを鑑賞する「聞香(もんこう)」に対して、2種類以上の香を使い、その香りを当てる「組香(くみこう)」がある。
○和歌や古典的物語などに由来した文芸的な内容が含まれる場合が多い。
初心者Q&A
Q.嗅覚を研ぎ澄ますために、当日気をつけることはありますか?
A.香木の香りは非常に繊細です。香水はNGです。また匂いのついたハンドクリームなどの使用も控えた方が良いでしょう。鼻が詰まっていると香りを聞き分けづらいかもしれませんが、香木の香りで鼻がスッとすることも。何よりも香りを楽しむことが一番です。リラックスして香木の香りに心を傾け、心の中でその香りをじっくりと味わいましょう。