人生100年時代、仕事の引退は80代、と言われるようになっている現代において、私たちに求められているのは「どれほど個人の市場価値を上げられるか」ということ。ではどうすれば個人の市場価値は上げられるのでしょうか?その答えは「独学」にありました。
本書『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』は、今日から始められる「独学」の勉強法を集めた最強の独学メソッド本。独学への不安を払しょくし、新たな可能性を見出す手がかりがここに!
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日本でも兼業を認める会社が増えている
日本では、これまで兼業禁止の会社が多かった。8割超の企業が副業を認めていないのが現状だ。これはすべてを企業内でまかなおうとする日本企業の構造に大きな原因があった。ところが、最近では状況が変化している。日本でも、「副業解禁」の動きが生じているのだ。
「日本経済新聞」(2018年4月5日)によれば、丸紅は4月から全従業員を対象に、勤務時間のうち15%を、通常業務から離れて「社内副業」に取り組むよう義務付ける。社員が部門を横断して動くよう促して新事業の創出につなげる。
同様の取り組みは、グーグルがすでに導入している。「20%ルール」という制度を導入しており、仕事時間の20%を、与えられた仕事以外の好きなプロジェクトに使える。それによって新しいアイデアが生まれ、それが企業の発展に大きな貢献をすると期待されているのだ。
国内では、三井物産が担当業務以外に一定の時間を使える仕組みを一部で導入している。ロート製薬は、2016年4月から、社員の副業を全面的に解禁した。本業に支障がない範囲で、週末や終業後に社外で勤務できる。なお、日産自動車、富士通、花王などは、以前から副業を認めている。ソフトバンクは2017年11月に、コニカミノルタは同年12月に、それぞれ副業を容認した。
こうした動きは、銀行にも広がっている。新生銀行は、2018年4月、大手銀行で初めて兼業と副業を解禁する。正社員、嘱託社員を対象に、本業と並行して異業種の仕事につくことを認める。英語の得意な人が翻訳の仕事をすることなどを想定している(「日本経済新聞」2018年3月28日)。
会社の枠を超えて培った技能や人脈は、企業の新規事業参入のきっかけになりえる。また、社員の多様性が高まれば、ビジネスの多角化や、新技術応用の可能性が広がる。会社としても、兼業によって外部の世界とつながり、それが会社の新しい仕事の発展につながるという方向が望ましいと考えるようになっているのだ。
1つの組織だけのために働くという時代ではなくなっている。これを活用して新しい領域を開拓し、退職後にはそれを主たる仕事としていくという人生設計ができるだろう。政府も、「働き方改革」でフリーランスを支援しようとしている。
インターネットを通じてサービスを提供する
ITの進歩、とくにインターネットの進歩は、フリーランサーや兼業の可能性を著しく増大させている。フリーランサーとして仕事をするためには、インターネットを通じて情報発信することが不可欠だ。
ブログを開設したり、自分のホームページを作るのがよい。したがって、これについて勉強することが必要になるが、それは自分でやるのが最も効率的だ。この類の情報は、実はウェブで一番手に入りやすい情報である。なぜなら、IT関係の専門家は、ウェブで情報発信することが簡単にできるからだ。自分の必要に応じて課題をウェブで検索すれば、まず間違いなく解決策を得ることができる。
どんなサービスを提供したらよいかは、人によりさまざまだ。世の中にさまざまな人がいる以上、さまざまなサービスが必要になるはずである。自分が最も得意とするもの、他の人が提供できないものが提供できれば、最もよい。そのための手段は多くなっている。YouTube に投稿することでもよいかもしれない。ウェブの上で相談に乗るということもあるだろう。
いま行っている仕事に関連することのサービスでもよいだろう。例えば不動産や金融の関係の仕事をやっているのであれば、不動産の売買や遺産相続、あるいは事業承継に関して助言することなどができるだろう。
職業選択のアドバイス、子育てのアドバイス、園芸などの趣味のアドバイス、そして自分史を書く手伝いなども考えられる。人生相談に乗るといったことも可能だろう。あるいは、身の上相談に乗ることも考えられる。仲介サービスも考えられる。出張サービスをしてもよい。地域の活性化プロジェクトを始める。観光ガイド。読書案内、文学講座などをコミュニティセンターで提供するなどもある。これらを友人と共同で仕事として始めてもよいだろう。
こうしたことの中には、所得には結びつかないものもあるかもしれないが、そうであっても、生きがいになるだろう。常に社会とつながっていて、張り合いのある生活を実現できるだろう。フリーランサーとして仕事をしたいのなら、こうした発信を行って自分の存在を宣伝するのは、仕事の獲得に役に立つだろう。