人生100年時代。フリーランスでの副業が老後の生活を救う/「超」独学法

pixta_21939574_S.jpg人生100年時代、仕事の引退は80代、と言われるようになっている現代において、私たちに求められているのは「どれほど個人の市場価値を上げられるか」ということ。ではどうすれば個人の市場価値は上げられるのでしょうか?その答えは「独学」にありました。

本書『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』は、今日から始められる「独学」の勉強法を集めた最強の独学メソッド本。独学への不安を払しょくし、新たな可能性を見出す手がかりがここに!

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起業やフリーランスを容易にする条件の変化

ITによって、少なくともコンピュータパワーに関するかぎり、資本の重要性は著しく低下した。「持たざる経営」が可能になってきているのだ。現在では、ウェブサービスに特化した事業であれば、驚くほど安い費用でスタートすることができる。このため、ベンチャーキャピタルの重要性は低下したと言われる。アイデアさえ優れていれば、高収益のビジネスが可能になるわけだ。

これは、大都市から離れた場所にいる人、中小企業、個人などにとって有利な方向への変化である。こうした状況を考えると、本当は、起業を考えるのがよい。ただし、言うまでもないことだが、起業にはリスクが伴う。家族がいる場合には、簡単には踏み切れないかもしれない。そこで考えられるのが、フリーランサーとして仕事をすることだ。

『LIFESHIFT』においても、新しい働き方として、フリーランサーとして働くことが紹介されている。雇用されていても、これまでのようなフル雇用でなく、パートタイム、自宅勤務、エイジェント契約などでの就業形態をとることが考えられる。

 

兼業や副業で準備し、定年後にフリーランサーに

以上で見たように、組織から独立した働き方が可能になっている。しかし、日本の場合には、起業はおろか、フリーランスでもリスクが高いと考えられるかもしれない。

日本とアメリカでは、事情が違う面もある。日本では企業間の人材の流動性が低いので、フリーランサーだけだとリスクが高いかもしれない。まったくのフリーランサーになってそれだけで生活を支えようとするのは、さまざまな意味で難しい。フリーランサーの所得は不安定であり、かつ生活を支えるようなものにするのは、まだ難しい。

私は、ホームページ「野口悠紀雄online」で、フリーランサーに関するアンケートを行ったことがある(2017年3月)。その中で、「フリーランサーで仕事をする場合に、何が障害になるとお考えですか?」(複数回答が可能)に対する回答では、「収入が不安定」(73%)や、「十分な収入が得られそうにない」(45%)が多かった。また、「あなたが会社の従業員である場合、今後の予定は?」に対する回答では、「会社勤務を続けながら、フリーランサーで副収入を得たい」(47%)が多かった。

だから、日本の場合について言えば、フリーランサーとして完全に独立するのではなく、最初は、会社で働きながら、副業・兼業として行うことが考えられる。私自身も、大学という特別な職場にいたこともあって、雑誌に寄稿したり本を執筆したりするなどの兼業を続けてきた。そして、兼業で行ってきたことが、いまに至るまで続いている。つまり、フリーランサーになっている。

 

完全なフリーランスでなくとも、兼業・副業の可能性

人生100年時代に、1つの組織の中で働き続けるのは、難しいだろう。それよりは、組織の中での仕事はある時点でやめて、あとは、自分のやりたいことをフリーランサーとしてやるほうがよい。重要なのは、フリーランサーは、自分が望むかぎり、いつまでも続けられるということだ。

多くの人にとって、年金はゼロではないだろうが、それだけで老後生活を支えるのは難しい場合が多いだろう。こうした事態に対して、例えば「60歳までに必要額を貯金すべきだ」と言われる。そうした貯蓄ができれば、理想的だ。

しかし、実際にはできない場合が多いだろう。だから、現役時代に副業を始めて準備し、定年後はそれを拡大するということを考えるほうがよいのではないだろうか。こうすれば、退職後に何もすることがなくなるといった事態には陥らず、生きがいを見出すこともでき、毎日に張り合いが出るだろう。

なお、日本の場合には、年金受給年齢に達しても、給与所得だと在職老齢年金制度によって年金を減額またはストップされてしまう。しかし、フリーランサーとしての雑所得はカウントされないので、年金受給開始年齢になれば年金は全額受け取れる。この点から見ても、組織に頼って仕事を続けるのではなく、組織から独立して仕事をしたほうがよい。

 

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野口悠紀雄(のぐち・ゆきお)

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授などを経て、2005年4月より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。


 

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『「超」独学法』

野口悠紀雄/角川新書)

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この記事は書籍『「超」独学法』からの抜粋です。

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