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脳自体は「痛み」を感じないってホント!?
人間が感じるさまざまな「痛み」は、視覚や聴覚、嗅覚、味覚と同様、体の中にある神経を伝わって脳が感じている。しかし、痛みを感じている脳自体は痛みを感じることはない。なぜなら、脳自体に、痛みを感じる機能が備わっていないからだ。
では、頭痛とはいったいどこが痛みを感じているのか。じつをいうと、頭痛の正体については、現在でもよくわかっていない。その中でも明らかになっていることを挙げてみるが、まず、脳は神経細胞と神経線維で構成されているが、そこには痛み電気信号として脳へと運ぶ知覚神経が入り込んでいない。ただし、脳を包む硬膜や血管、さらには頭部の筋肉や皮膚、骨膜には知覚神経が通っている。そして、偏頭痛によって感じる痛みは、ストレスなどさまざまな原因によって刺激された脳の血管が広がり、周囲の神経を圧迫することで起こると考えられている。
そもそも「痛み」とは、体に異常が起きていることを示す一種の警告だ。生命の危機を回避するための機能として、我々の体に備わっている。そうした点から考えると、脳は人間の生命を維持するうえでもっとも重要な臓器であることから、万が一、脳そのものが危機に陥った場合は致命的だ。警告を出すまでもなく生命は終わりを迎えることになるため、痛みを感じる必要がないともいえるだろう。