デビュー65周年、浅丘ルリ子さんが語る日活時代の思い出「裕ちゃんや旭は演技も一流で、歌も一流」

浅丘ルリ子さんの女優生活65周年を記念した舞台『ななしのルーシー』が3月に上演されます。浅丘さんが演じるのは、いまのような世の中の混乱期に民衆の側に立ち、人々の思いを代弁する元女優ルシア。ご自身の半生を振り返っていただくと、ルシアさながらの浅丘さんの姿が浮き彫りになりました。

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実は、知らされていなかった共演!?

ーー昨年がデビュー65周年だったそうですね。

そうみたいですね。

もう大変ですよ、帯状疱疹とか腰痛とか、いろいろ出てきて(笑)。

ーー近年では、大きな話題を呼んだドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)シリーズでの石坂浩二さんとのご共演も感慨深いです。

へいちゃん(石坂さん)、気楽にさりげなくやっていてすてきでしたね。

脚本の倉本聰さんも二人のことをよく知ってお書きになっていますから、やりやすかったです。

初めは、へいちゃんが出ることは聞いていなかったんですよ。

台本をいただいたら、名前があるから、加賀まりこさんと二人で「倉本さん、言わないなんて、やるわね」って(笑)。

でも私は「一緒にやれるんだ」って思いました。

離婚後は会っていなかったので。

結婚しているときは、本当に好きなことをやらせていただきました。

私が甘え過ぎていたのね。

難しい朗読劇で新たな挑戦

ーー今回の舞台は、第一部が朗読劇で、第二部で石原裕次郎さんや小林旭さんの歌を皆さんで歌われるそうですね。お二人のこと、伺えますか?

ルリ子とかブーちゃんって私のことを呼んで、かわいがってくれましたね。

裕ちゃんと旭は撮影となると、いつも1時間遅れて来るんです。

1日2日はガマンしても、3日目となると、二人が入ってきたとき、私がにらむの。

すると視線を感じるのね。

「ルリ子、ごめんな」って(笑)。

スタッフもそれを見て「まあいいか」って感じになるから、そこで私が「じゃあ始めましょう」っておさまるんです。

そういうときに黙って待っていてもね......私の方がどちらかといえば裕ちゃんより先輩だし(笑)。

演技も一流で、歌も一流で、あんな人たちはいませんよね。

旭とは、「ブー、一緒にやってくれないかな」って電話がかかってきて、2014年、一緒にいろいろなところを回って、私も『愛の化石』を歌ったり、デュエットしたりしました。

ーー芸能界には、浅丘さんにお世話になった方も多いとか。

昔は私の家族でたくさん、日活の若い人たちの面倒を見ていましたからね。

私のギャラはその飲食代に充てて、全然残りませんでした(笑)。

大家族みたいで楽しい時でしたね。

高橋英樹さんもいとこの同級生で、しょっちゅう泊まりに来ていて。

もともと私の両親がそういう人たちだったのね。

私が幼い頃は満州やバンコクにいて、当時は大変な時代だから、人々が寄り添って助け合って暮らしていて、絶えず誰かが家にごはんを食べに来ていたんです。

困っている人がいたら、助けてあげるのは当たり前なのね。

ーーいまのお話を伺うと、多くの人々を勇気づける『ななしのルーシー』のルシア役は、浅丘さんに本当にぴったりですね。

私はあんなにいい演説はできないけれど(笑)。

ルシアは、『群衆』という映画でゲーリー・クーパーが演じていた主人公を私に置き換えた役なんです。

朗読劇ですが、時には立って、きちんと皆さんに向かってお届けしたいですね。

今回は、演じるのが難しい朗読劇。

ここで、また挑戦ですね。

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「何もしていないのに、きちんと届くような芝居ができたらといつも思っています。大きな芝居は好きじゃないんです。六角さんのお芝居は好きですよ」と、共演する六角精児さんへの信頼を語る。

取材・文/多賀谷浩子 撮影/吉原朱美、齋藤ジン

 

浅丘ルリ子(あさおか・るりこ)さん
満州国新京市(現・長春)生まれ。1955年、日活映画『緑はるかに』で銀幕デビュー。初舞台は蜷川幸雄演出の『ノートルダム・ド・パリ』(79年)。2011年、旭日小綬章受章。

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『ななしのルーシー』

(落合恵子/朝日新聞出版)

3月5日(金)~7日(日)
なかのZERO大ホール
出演:浅丘ルリ子、六角精児、妹尾正文
脚色・演出:星田良子
主催:サンライズプロモーション東京
チケット発売中

新聞記者サンダース(六角精児)が書いたデタラメ記事の主人公に仕立て上げられた元女優ルシア(浅丘ルリ子)。二人の画策が思いも寄らぬ展開を呼ぶ朗読喜劇。

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